高い利回りが全てではない?どの程度の利回りが適切?期待利回りの考え方

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「弁護士のための不動産投資で成功する極意」2回目は、期待利回りの考え方です。不動産投資では、キャップレート(Capitalization Rate)という言葉がよく使われます。

キャップレートとは、不動産投資の指標の一つで、期待利回りあるいは還元利回りのことを言います。この指数は、不動産投資をしようとしている人がどれくらいの利回りを期待しているかを表しているものです。

キャップレートはエリアや投資不動産の種類(オフィスビル、ワンルームマンション、ファミリーマンション、商業施設など)によって変わってきます。キャップレートが高いということは、投資をする方がよりリスクを感じているということになります。

目次

期待利回りの差は不動産投資のリスクの差

図1のグラフは、東京、大阪、名古屋、福岡における賃貸用ワンルーム物件(区分)とファミリー用物件(区分)の期待利回りの推移を表しています(2020年4月調査データ)。

■図1挿入■

例えば、福岡の物件に投資するならば、ファミリー物件で5.5%、ワンルームには5.4%程度の利回りが欲しいと投資家が思っていることが分かります。

一方、東京はワンルームで4.5%、ファミリーで4.6%と福岡よりも低くなっています。

これは、投資家は、たとえ利回りが低くても東京の物件を購入したいと思っているということであり、いい方を変えれば「東京の方が、リスクが低いと考えている」とも言えます。

期待利回り下落すると物件価格は上昇?

利回り計算は、「賃料÷購入(投資)金額」がベースとなります。逆に言うと、類似物件の取引事例等からキャップレートが査定出来る場合は、以下のように物件価格を求めることが出来ます。

賃料×12÷キャップレート=物件価格

分母(=キャップレート)が高ければ、その分、解(=物件価格)は大きくなります。

このキャップレートが下がっているということは、賃料が同一とするならば、不動産の価格が高くても投資したい(購入したい)投資家が増えているということを示しています。それでは、もう一度の期待利回りの推移の図を見てみましょう。

全体を見ると、リーマンショック前(2008年)はかなり低くなっていましたが、その後急反発(高くなり)し、2012年以降下がり続けていることが分かります。

2015年夏以降、東京においては、キャップレートが大きく低下したミニバブル期(2005年~2007年)の最低値(つまり価格的には最高値)よりも低くなっていることが分かります。名古屋・大阪・福岡においても、同じようになりそうな勢いです。これは、利回りが低くても投資したい(あるいは高くても不動産を買いたい)と思っている人が増加していることをこのデータが示しています。

しかし、グラフをみると、ミニバブル期の推移とそれ以降の推移では、違いも見て取れます。2012年以降の盛り上がりは、東京の値と他の大都市の値から大きく離れて推移していることです。これは、都市間で、不動産投資における将来期待に差が出はじめているということなのでしょう。

また、首都圏への区分マンション投資は、地方の富裕層の購入も多いのが現状です。

地価下落が止まりそうにない地方都市の不動産所有者が、それを手放しの資産の組み換えを行う目的で、都心の不動産を購入している構図です。さらに、成長するアジア各国の富裕層も参戦しており、こうしたことも不動産投資ブームに拍車をかけています。期待利回りの推移を見ることで、現在の不動産投資市場の過熱感がよく分かります。

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