司法修習の終盤に行われる集合修習で具体的に何を行うのか、また集合修習における心構えについてまとめてみました。
※74期の集合修習の内容であるため、他の期の集合修習の内容と異なるおそれがございます。
集合修習で行うこと
集合修習で行うことは、主に①座学、②グループワーク、③模擬裁判、④集合起案の4つです。
①座学
集合修習では、導入修習に比べて座学の割合は低いです。
導入では、動画視聴や教官による解説講義が多くありましたが、集合では、下記②~④が大部分を占めます。
集合起案の解説は座学が中心となりますが、途中でグループワークの時間が取られるため、視聴するだけの座学はほぼありません。
②グループワーク
集合修習では事あるごとに検討課題が出され、毎日のようにグループワークが行われます。
検討課題は様々ですが、おそらく一番重い課題は、③模擬裁判の資料を基に作成する準備書面の作成だと思います。
準備書面を作成するためには、裁判資料を読み込み、必要な法律知識を調べた上で自分の意見を固める必要があります。
他人任せの人が集まると、中々準備書面の作成が終わらず苦労する羽目になるので、他の課題よりも事前準備に力を入れましょう。
③模擬裁判
民事・刑事ともに模擬裁判が行われます。
模擬裁判では、クラス内で法曹三者や証人などの配役を決め、配役ごとにグループワークを行って、模擬裁判に臨みます。例えば、刑事裁判で弁護人役の冒頭陳述担当のグループでは、冒頭陳述の内容を検討し、証人尋問担当のグループでは、尋問事項を作成します。
また、2つとも模擬裁判に向けた準備が多く、その過程で検討を怠けた途端ついていけなくなるため、模擬裁判絡みの予習や講義は、特に気合を入れて臨むようにしましょう。
④集合起案
集合起案では各科目2回、計10回の起案を行います。
二回試験では、集合起案で取り扱った問題点や類似の事案がよく出題されることから、集合起案は、二回試験合格という点で集合修習の中で最も重要なものとなります。
集合起案の効果を最大化するために、集合起案前に、各科目白表紙の読み込みと導入修習の復習を行いましょう。(起案の出来が悪いと教官から呼び出されることも…)
また、起案後は、教官の解説をしっかり聞き、重要事項は白表紙等にメモしておきましょう。集合起案を怠けると、二回試験の結果に響いてしまうので、集合起案は、集合修習の中でも1番気合を入れて取り組むべきです。
⑤その他
その他のイベントとしては、最終講義があります。
イベントといっても、大々的に「最終講義」と銘を打って行われるものではなく、各教官の最後の単独講義を「最終講義」と呼んでいるだけですが…
右も左もわからない導入修習から(辛い?笑)集合修習までお世話になった教官の最後の講義はやはり感慨深いです。
伝統的に、最終講義では教官から主に「2回試験に向けたエール」と「実務家になった際の心構え」の2つを伝えてもらえます。
2回試験に向けたエールは、2回試験直前にかなり効果を発します。
あまり落ちない試験(74期の不合格者は5名)であっても、過酷な試験であることには変わりはなく、「落ちたらどうしよう…」と不安になってしまうことも多々あります。
そんな時に教官からのエールを思い出して、「自分の起案を実際に見てくれた教官が大丈夫と言ってくれたんだから大丈夫!!!」と不安を消し去ることができます。
「実務家になった際の心構え」の内容は、教官によって千差万別なので、中々説明が難しいです…
とにかく、教官の長年の実務経験に基づいた貴重な心構えとなりますので、必ずメモしておきましょう!
集合修習での心構え
集合修習は、導入修習に比べて、予習もグループワークも起案も多いです。
また、2回試験が近いこともあって、教官も熱く指導して下さります。
だからと言って、「集合修習についていけるかな…」と不安になる必要はありません。
実務修習を通じて、法曹実務に関する知識・思考は鍛えられているため、導入修習のときより、確実にレベルアップしているはずです。
また、「そんなこと言っても自信がないよ!」という方は、今から白表紙を読めば間に合います。
そして、集合修習を通じて、自然と起案能力は上がります(たくさん起案するので当然)。
2回試験に落ちたくなければ、どんなに辛くてもどんなに面倒臭くても、「最後のコマまでしっかり受講すれば、本番特有の失敗を除いて2回試験に落ちることはない」と信じて、最後の1コマまでくらいついて下さい!