二回試験を終えた73期司法修習生の皆さんお疲れ様でした。
簡単ながら、弁護士登録・法律事務所で勤務するまでの約3週間の過ごし方について、述べてみたいと思います。
要点は以下の通りです。
基本書・参考書は読まない
まず一番もったいないのは、基本書・参考書ばかりを読むことです。
そのような本を今読んだところで仕方がありませんし、誰からも評価されません。
これからはもう試験を受けることはないのです。
「勉強したい」ではなく「戦力になりたい」というマインドへ
今後は勉強したい、スキルアップしたいなどという感情もなくした方がいいかもしれません。
それよりも事務所の「戦力」になることを一番に考えてください。
頭がいいとか知識があるよりも、「役に立つ」ことが大事です。
就職する事務所のホームページをくまなく読み込もう
これから就職する事務所がホームページを持っているならば、くまなく読み通しましょう。
- 就職する事務所が、現在どのような業務を中心に売り出しているのか?
- 例えば離婚の着手金をいくらでやっているのか?
- 企業法務でいえば、ボス弁や兄姉弁が、どのような業務を得意としているのか?
事務所で取り扱った裁判例があれば、一読してみてもいいかもしれません。
広告に力を入れている事務所であれば、法律問題の解説記事や、事例集、Q&Aなどもホームページに記載されています。
その内容は、ロースクールや司法修習でこれまでに勉強してこなかった内容のはずです。
勤務の開始前に、一読しておけば、早く事務所の「戦力」になり、「役に立つ」ことができるでしょう。
事務所によってはたくさんのホームページを抱えているので、広告規定や景表法に反していないかもチェックしてあげると喜ぶでしょう。
旅行に2回は行こう
③よりも、旅行に行くのが先決です。
就職する事務所のホームページをチェックするのは旅行に行く際の新幹線や、飛行機の中ですれば間に合うものです。
GOTOトラベルを利用して、3週間の間に、最低2回は旅行に行くべきことを提唱します。
あとの時間は引っ越しや、勤務への心の準備の時間としてください。
今は、事件や事務所のストレスがなく、気持ちよく旅行に行くことができる、人生最後の機会です。
弁護士になると、旅行に行っても「あの事件どうしようかな」「大丈夫かな」ということが頭をよぎるのです。
弁護士になると、旅行から帰ると、不在中に届いた書面を事務員さんがファイリングしてくれた事件記録が机に大量に広げられていて、対応しきれないほどのメールがたくさん溜まっているのです。
弁護士になると、旅行に行くことが手放しで喜べなくなるのです。
お願いだから弁護士になる前に、旅行に行ってください。最後のチャンスです。
あいかわらず司法修習生の待遇は恵まれませんが、GOTOトラベルを利用すれば格安の負担で行くことができます。
この際、借金してでも旅行に行きましょう。
一般民事に携わるのであれば、消費者金融やカードローンの仕組みを理解しておいても損はないでしょう。
ちなみに私は修習生の間に、200万円弱のカードローンを抱えてしまいました。
返済には2年程かかりましたが、後悔していません。
就職する事務所がコロナに厳しい事務所でも、出勤日の数日前にPCR検査を受ければ問題ないでしょう。
大西先生のnoteを読もう
あとはこの段階で読んでおくべきコンテンツとしては、弁護士法人大西総合法律事務所の大西洋一先生がnoteに記載されている以下の記事です。
弁護士業務と法律ネタ帳(弁護士大西洋一)より
今はまだ分からないかもしれませんが、ここに書かれていることは、最初の1年間は、毎月でも読んだ方がいいと思います。2年目~5年目も、何か悩むことがあれば読むといいでしょう。
二回試験を終えた皆さんは、弁護士になるまでの間に、2回は読んでおくことをお勧めします。
あと約3週間、「実りある修習生活」をお過ごしください。