ワンルーム投資は私的年金になり得るのか

  • URLをコピーしました!

弁護士の方の業務は、高度専門職でありながら、かなり労働集約型の職業であるといえます。プロ野球選手やサッカー選手などと似て、ある程度の収入はあるものの「身体が資本のため、病気になると収入を得づらい」という側面があります。ただ、若くなくても仕事ができるという点では、スポーツ選手とは異なりますが。

弁護士を含めこうした方々にとって、一線引退後の収入をどう安定させるかは大きな問題です。年金だけで質素に暮らすことができればいいですが、なかなかそうはいきません。

そこで、「将来の年金の足しをどうするか」が重要なこととなります。

目次

ワンルームマンションからの収入と年金

ワンルームマンションを購入する理由の一つとして、「将来の年金の足しにするため」と答える方が多くいらっしゃいます。このフレーズはワンルームマンション営業担当者も良く使うものです。

ワンルームマンション投資において、所有するワンルームマンションからの賃料収入からローンを支払い、その他管理費用などの経費を引いた残りが収益となります。ローン支払いが終わると、経費を引いた残り全てが入ってきます。

例えば30歳で購入し、35年ローンを組むと、65歳以降には、かなりの手残り分が収入となります。この収入が、年金のような意味合いになるというわけです。

年金はどのくらいもらえる?

日本の年金の仕組みは、少しややこしくてわかりにくいと言われています。

基本的には、日本に住む人すべての人(20歳以上、60歳未満)が加入する「国民年金(基礎年金)」と、企業などに勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。さらに、企業に勤める従業員を対象として、企業が独自に運営する確定給付企業年金があります。

年金の受給開始年齢は、以前は国民年金が65歳、厚生年金が60歳でした。

しかし、厚生年金の受給開始年齢は段階的に引き上げられており、2013年度の年金制度改正で、男性は1961(昭和34)年4月2日生まれ以降の方、女性は1966(昭和41)年4月2日生まれ以降の方は65歳になりました。

国民年金の保険料は原則として全員が同じで定額です(月あたり約55,000円~60,000円程度)。厚生年金の保険料は収入に対して定率ですので、つまり支給額は収入に応じて変わる、というわけです。

ワンルームマンション賃料収入が加わればどう変わる?

以下のような例で見てみましょう。

最近の都心における新築ワンルームマンションは高騰しており、月々のキャシュフローがマイナスになる物件も珍しくありません。

プラスになる物件を探したいところですが、ここでは例としてキャシュフローがマイナスになる例をあげておきます。

月額賃料11万円、管理費修繕積立金入居者管理費などの経費が16,500円(15%)かかる新築ワンルームマンションを3000万円で購入。ローンは35年で固定金利2%と仮定します。すると、月々の返済は99,378円で、キャッシュフローは5,878円のマイナスとなります(※ただし、この期間は節税効果を期待できますので、実質的なマイナスは少なくなるもしくはプラスになります)。

しかし、これを完済したとき、つまり65歳以降は、国民年金(約5~6万円)+厚生年金(各人により年金額は異なりますが、平均月15万円程度)に加えて、「賃料マイナス経費」分が丸々毎月入ってきます。

これらを合計すると、ローン完済済みのワンルームマンションを持っていると、公的年金で例えば、20万円~21万円に加えて、ワンルームマンションの収益が入ります。ワンルームマンションの賃料は、東京23区で立地のいい場所の物件ですと、築年数が多少古くても、賃料下落は少ないので、賃貸が10万円として、経費差し引き後(ローン返済済み)8万円以上あります。

ワンルームマンションを1つ持っていると、20~21万円に約8万円が加わり28万~29万円、2つ持っていると、(マンションの収益が同じだとして)36~37万円となります。先に示したように、仮にローン返済中の収益がマイナスだとしても、その分十分に元が取れるということになります。

さらに、最近では融資期間の最大年数が伸びる傾向にあります。

ある金融機関は、最大45年まで引き上げ、完済年齢も84歳までに延長ました。返済期間が長くなると、次々の返済も軽くなり、キャッシュフローもプラスになります。

前述の例ですと、期間が35年から45年になると、毎月5,878円の持ち出しだったのが、9,200円のプラスとなります。また、期間が長くなることで、高齢の方でもより長期間且つ高齢までローンを組むことができるようになりました。とはいえ、返済期間がリタイア後まで続くことのリスクがあるのではないかと思われる方も多いと思いますが、組み立てを工夫し、繰上げ返済を活用すれば大きな安心を得ることが出来ます。

ここで、また別のシミュレーションをしてみましょう。例えば、先ほどと同じ物件を2戸、44歳の方が84歳まで40年ローンで組んだとします。月々のキャッシュフローは1戸あたり2,652円のプラスになります。この2戸の年間プラス収支63,648円と、さらに預貯金に回していた100万円を毎年1戸目の繰上げ返済に集中的に回すとします。すると、およそ18年で完済できます。つまり、62歳には1戸目は完済できます。1戸目完済後は、家賃から経費を引いた丸々が収入となるので、これに加え引き続き2戸目のCFと毎年100万円の自己資金で繰上げ返済を続けたとすると、2戸目は1戸目返済から6年後の24年で完済します。つまり、68歳以降は、無借金のマンションを2戸所有することが出来るわけです。今のようなに預貯金をしても利息はほとんど期待できないことが長く続くようななら、このように繰上げ返済に回す案もありかもしれません。

いずれにせよ、ワンルームマンションを持つことで、将来の年金にプラスアルファの収入が期待できることは間違いなさそうです。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
弁護士が語る

/のリアル

無料登録して頂いた方に全てをお話ししています

目次