司法試験に合格した皆さん、おめでとうございます。
例年であれば9月の前半に合格発表があり、11月の末から司法修習が開始されますが、本年度(修習74期)は新型コロナウイルスの影響により、1月に合格発表、3月31日に司法修習を開始する運びとなりました。
あらためて司法修習の日程を簡単に整理してみましょう。
さて、修習が始まるまでに行うべきことは、基本的には以下の通りです。
修習の申込手続関係
まず必ずやらなければならないのは修習の申込手続です。
今年は、令和3年1月27日(消印有効)までとなっています。
提出先は、最高裁判所へのものと、司法研修所へのものがあります。
これに遅れれば、本年度は司法修習生になることはできませんので、絶対に遅れないようにしましょう。
この期間、以下のサイトは何度も読むことになると思います。
申込に当たって、あらかじめ取得すべき書類は以下です。
【必要書類】
- ・司法試験の合格証書
- ・戸籍または住民票(マイナンバーの記載はなしで、本籍地の記載があるもの)
- ・人によっては、退職証明書、資格の登録抹消証明書
修習の事前課題関係
修習の申込が無事に完了すると、司法研修所から教材や事前課題のようなものが送られてきます。
修習起案は、二回試験も同様ですが、これまでの司法試験とは全く異なる形式の問題が出されます。
分野は5つ
- ・民事裁判
- ・刑事裁判
- ・検察
- ・民事弁護
- ・刑事弁護
二回試験は1科目あたりの試験時間が7時間を超えるという過酷な試験となります。
回答の仕方も独特な「型」がありますので、事実認定と「型」の使い方を身につける必要があります。
特に好成績を目指さないのであれば、1年間の修習中に、何度か問題を解く機会が設けられますので、その中で学習し、二回試験に対応することができるようになれば良いでしょう。
裁判官や検察官を目指す場合には、事前課題から最高の成果物を提出し、修習中の抜き打ちの課題にもしっかり対応できるように、あらかじめ学習しておくべきです。
裁判官や検察官になるには、出身大学やロースクール、年齢、司法試験の順位だけでなく、修習中の成績や教官との人間関係が特に大きく影響してくるのです。
ただ、裁判官や検察官を目指す場合でも、就職活動は行いましょう。
早めに法律事務所の内定を得た方が修習に集中できますし、裁判官や検察官になることができなかった場合でも安心です。
就職活動
就職活動は早めに始めるに越したことはないです。
基本的には、日弁連の求人サイト「ひまわり求人ナビ」を利用することになります。
一般公募で言えば、ひまわり求人ナビに情報が集中しています。
逆に言えば、ひまわり求人ナビに出していない法律事務所にアプローチしてみても、現在は募集していない、ということがほとんどです。
また、東京三弁護士会の合同説明会というのがあります。
今年は、2月4日から8日にかけて、webで行われることになっており、全国どこからでも参加することができるので、利用してみると良いでしょう。
以下のサイトをご覧ください。
第74期修習予定者等 東京三弁護士会 就職合同説明会 参加事務所・企業募集中
その他にも、以下の団体が合同説明会を企画しているようです。
弁護士・司法修習生の求人探しなら株式会社リーガルプラットフォーム
採用応募にあたって言えることは、とにかく履歴書はしっかりと書きましょう、ということです。
なぜその法律事務所に入りたいのか?ということは、可能な限りその法律事務所の情報を集めて、その法律事務所の姿と、自分のキャリアや考え方を、論理的に結び付けて書くことができるといいでしょう。
法律事務所は人柄も重視されますので、趣味や特技についても多く書いておくと、面接で話題が盛り上がる、ということがあります。
履歴書を書いたら、同期の何人かで見せ合い、ブラッシュアップしていくことをお勧めします。
最初に入る法律事務所は人生を左右しかねませんので、司法試験以上に手を抜かずにやりましょう。
司法修習までに就職先が決まる人は3割程度はいるでしょうか。
開始して2~3カ月で、5~6割、修習の終盤で結局はみんな就職先が決まる、ということが多いです。
ですので焦らなくてもいいですが、とにかく人生を左右しかねませんので、悔いなく早めに全力で取り組みましょう。
皆さんが、実りある修習生活が送れることを祈念しています。