弁護士の公的医療保険はどうなっている?

万が一病気になったとき、経済的なリスクを負わないためにも何らかの備えは必要ですが、ご存じの通り、日本では「国民皆保険」といって、すべての人が何らかの公的医療保険に加入しているので、多くの部分はこの公的医療保険で賄えるようになっています。

「国民皆保険」とは、病気のときや事故にあったときの高額な医療費の負担を軽減するため、原則的にすべての国民が公的医療保険に加入しなければならない、という制度ですが、その種類によって、制度や保障内容、保険料に差があります。

目次

公的医療保険の種類

公的医療保険は、病気やケガをしたときに医療費の一部が負担軽減される重要な制度です。職業や勤務先、年齢によっていくつかの種類があります。

代表的なものとして、サラリーマンが加入する「健康保険」、公務員や教職員が加入する「共済組合」、自営業者が加入する「国民健康保険」、船員が加入する「船員保険」、そして、75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」が挙げられます。

弁護士の保険制度は?

それでは、弁護士の皆さんはどうでしょうか?

企業にお勤めの弁護士の方、もしくは、個人事務所を法人化した場合は、原則として全国健康保険協会(協会けんぽ)への加入となります。それ以外の弁護士の方は「国民健康保険」に加入することになります。

この国民健康保険制度には、自営業者や無職の方が加入する市区町村国民健康保険と、同種の個人事業の自営業者で組織する国民健康保険組合があります。どちらも同じ国民健康保険法に基づいて運営されていますが、国民健康保険は市区町村の「地域」によって加入し、国民健康保険組合は「業種や職種」によって加入する点に違いがあります。また、保険料の算出方法も異なります。

そして、個人経営の法律事務所では、通常、市区町村の国民健康保険あるいは東京都弁護士国民健康保険組合に加入することになります。

ここで、「東京都」弁護士国民健康保険とあるように、加入できるのは限られたエリアに住所を有する弁護士に限られます。

※参照:東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、神奈川県弁護士会、千葉県弁護士会および埼玉弁護士会に所属する弁護士および外国法事務弁護士並びにその法律事務所に勤務し業務に従事する者で東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、福島県会津若松市、茨城県の一部(水戸市、土浦市、笠間市、取手市、牛久市、つくば市、守谷市、筑西市及び神栖市)、栃木県の一部(宇都宮市、小山市及び那須塩原市)、群馬県の一部(高崎市及び館林市)、新潟県長岡市、山梨県の一部(大月市及び北杜市)、長野県下高井郡山ノ内町、静岡県の一部(静岡市、浜松市、熱海市、三島市、富士市、田方郡函南町及び駿東郡長泉町)、愛知県の一部(名古屋市、豊川市、刈谷市及び知多市)、三重県津市、京都府京都市、大阪府の一部(大阪市及び豊中市)、奈良県生駒郡安堵町、福岡県北九州市、熊本県熊本市及び沖縄県島尻郡与那原町に住所を有する方です。(東京都弁護士国民健康保険組合HPより引用。2021年1月時点)

つまり、上記のエリア以外の弁護士の方は、市町村の国民健康保険に加入することになります。

保障内容での違いは?

■国民健康保険と協会けんぽの違い(保険料は令和2年度分)

協会けんぽには、国民健康保険にはない制度がいくつかあります。例えば、傷病手当金、これは療養のため仕事を休み、十分な報酬を受けられないときの手当金で、給与のおおむね3分の2の金額が、支給を開始した日から1年6か月の期間支払われる制度です。

また、出産のため会社を休んだときの出産手当金や産前産後休暇、育児休暇中の健康保険料の免除なども受けられます。また、保険料も事業主と折半となります。

一方で、国民健康保険は、上記のような制度がなく、保険料も全額負担となります。

弁護士の方が保険について考える際のポイント

こちらのサイトをご覧いただいている弁護士の皆様の多くが、「国民健康保険」に加入されているのではないでしょうか?国民健康保険は、傷病手当金など自身が働けなくなった時の保障がありません。また、女性の方に関しては、出産に対する保障が協会けんぽに比べて少ないです。ですので、その分、民間の保険や貯蓄でしっかりと準備する必要があることを、認識しておく必要がありそうです。

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この記事を書いた人

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長 

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
㈱船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、等を経て現職。全国新聞社、をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間多数。
 
著書:「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」 (芙蓉書房出版社) 等11冊。多数の媒体に連載を持つ
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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