忘れてる人必見!導入修習までにおさえたい要件事実【事前課題対策】

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74期の司法修習生は3月31日より司法修習を迎えます。また、3月30日までには民事裁判の事前課題の提出の機会もあります。

確認したところ、事前課題では訴訟物などの解答を求める問題が存在するように、司法修習においては、導入修習開始段階から、要件事実の基本的な理解があることを前提に講義が行われます。

「司法試験の時には覚えていた要件事実も今はちゃんと覚えているか自信がない」
「まして、改正民法を踏まえた要件事実なんて分かるわけがない…」
と考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では、改正民法を踏まえた要件事実の例をご紹介します。要件事実の確認、改正民法の復習の機会にしていただければ幸いです。

目次

民法改正を踏まえた要件事実

【問題】

諾成的消費貸借契約に基づく貸金返還請求の要件事実を答えよ。(諾成的消費貸借契約が、返還時期の合意とその到来により終了した場合)

【解答】
ア 諾成的消費貸借契約の成立
(ア)当事者の一方が金銭を引き渡し、相手方が金銭の返還をする旨の合意をしたこと
(イ)ア(ア)の合意が書面(または電磁的記録)のよること
イ ア(ア)に基づき金銭を交付したこと
ウ 諾成的消費貸借契約の終了
(ア)返還時期の合意
(イ)返還時期の到来

【解説】
本文における要件事実を考える上では新民法587条の2、第1項、第4項を念頭に置く必要があります。

第1項 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の者を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
第4項 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。
引用元:民法587条の2

成的消費貸借契約においては、消費貸借契約の成立要件として、金銭の交付を要求しない点に特徴があります。

そこで、旧来の要物契約としての消費貸借契約の場合とは異なり、諾成的消費貸借契に基づく貸金返還請求権としては、契約の成立、終了に加え消費貸借契約に基づく金銭の交付の事実が必要になります。(イの部分)

また、同1項、4項に基づき、当事者の合意が書面または電磁的記録によることを指摘する点も、改正前の要件事実とは異なる点ですので注意しましょう。(ア(イ)の部分)

改正前後の要件事実の違いを確認しよう!

以上、改正民法を踏まえた要件事実につき解説を加えました。
解説を一読し、改正前後の要件事実の違いがピンと来なかった方は、民法改正の内容や改正前の要件事実の理解が曖昧になっている可能性があります。

事前課題や、来る導入修習を有意義なものにするためにも、司法研修所配布の白表紙書籍を用い、ザッと要件事実を確認してみてはいかがでしょうか。

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