こんにちは、編集部のあくねです!
令和3年度の司法試験本番が近づいてきたということで今日は短答式の憲法の勉強についてお話したいと思います。
僕は短答式の中では憲法が一番苦手で、3月に解いた模試の問題でも憲法だけ5割を切る点数を取ってしまっていて本当に焦ったことを覚えています。
そのような苦手意識から工夫をしながら力を入れて勉強した結果、試験本番では一問間違いの48点(科目別順位1位)を取ることができました。
短答憲法の特徴
以下の特徴を押さえておくと、効率的に学習を進められます。
- 全ての肢の正誤が分からないと点数が入らない問題が多い
- 論文でほぼ出題されない分野からの出題が多い
- 正誤判断の際に判例の理解が正確に問われる
①全ての肢の正誤が分からないと点数が入らない問題が多い
民法、刑法にはない形式の問題として、3つの肢のそれぞれの正誤の組み合わせを8つの選択肢の中から選ぶ問題が一定数出題されます。
この問題は3つのうち2つの肢が分かっていても残りの1つを間違えてしまうと部分点ももらえず0点になってしまいます。したがって憲法は他の2科目よりも一つ一つの肢の内容を正確に覚えていく必要があると思います。
②論文でほぼ出題されない分野からの出題が多い
統治分野は本試験の論文ではほとんど出題されていませんが、短答試験では割合的に4割~5割くらい出題されているので、合格点をとるためにも統治分野の勉強は避けて通れません。
③正誤判断の際に判例の理解が正確に問われる
憲法の短答を勉強したことのある方ならわかると思うんですが、「判例がどこまで述べていたか」を聞いてくる問題が本当に多いです。
「流石に判例でここまで極端なことは言っていなかっただろう」というような日本語的な問題である程度対応できるものも一定数ありますが、他2科目と比べて判例の内容、文言をぼんやりとしか覚えていないと足元をすくわれる問題は多いです。
使用した教材と勉強法
僕が使用したのは、
です。
まずはオーソドックスに肢別本を3周ほど回していったのですが、その後実際に模試の問題を解いてみたところ他の2科目に比べて全然得点が伸びませんでした。
原因は知識の定着の曖昧さでした。前述したような、3つの肢全ての正誤が分からないと点数が入らない問題で尽く1つだけ肢の正誤に自信が持てず外れる、といったことが多かったです。
そこで僕がやり始めたのは、肢別本をベースに、自分が間違えたもしくはあんまり分かっていなかった肢の内容を全てワードファイルに箇条書きでまとめていく「憲法短答用メモ」を作っていくことでした(これは民法、刑法でも同様に作っていました)。
目的としては、「自分が分かっていないものが全て書いてあるノート」を作ることで、試験直前はそれさえ見れば済むものを作ることでした。
結果的に見ればこれが一番やってよかったなと思える勉強法です。僕の場合は択一六法を通読するのがめちゃくちゃ苦痛かつ、頭に入ってきている感覚もなかったので自分でまとめていく作業が一番知識の定着に繋がったと思います。
ノートの一部の抜粋です(あくまで形式の参考程度に)。
自分が読む用のノートなので自分が読んで分かるものなら形式はどんなものでもいいと思います。
このメモを作るのに正直かなり時間がかかりましたが(憲法だけでワードファイル5~60頁になりました)、一度作ってしまえばその過程でものすごく知識は定着しますし、あとは本番直前も試験本番もこのメモを読めばいいだけの状態になるというのはメンタル的にもとても安心できると思います。
肢別本の肢をベースに、択一六法と判例百選を使って補完的に必要な情報をつけ足していき、また模試の問題を解いて間違えたところは解説を読みながら更にメモに加筆していくという形でメモを完成させていきました。
Wordファイルなので見返していく時に、自分がもう分かっているところをどんどん消していって2周目は1周目覚えていなかったところだけを見ていって、覚えられたところはまた消していく・・・と繰り返すといった勉強法も出来るので個人的にはお薦めです。
終わりに
試験本番が近づいてきて、短答の勉強が間に合っていないのではないかと不安になっている方も多いかと思います。実際僕も去年の3月の時点では特に憲法に関してはまだ全然点数が取れておらず全く仕上がっていませんでした。
実際に試験を受けたのは8月でしたがその時点では5月に試験があるものとして勉強をしていました。
僕の経験から言えることとしては、短答は本当に直前まで勉強した分だけ得点は伸びるということ、自分でまとめる作業が一番記憶に定着するということです!
僕が短答のまとめメモを作っていたのは試験2ヶ月前~1ヵ月前の頃でしたが、作る前と後で得点は20点近く上がったと思います。
単なる肢の丸覚えではなく知識を定着させるための勉強法はご自身に合ったものを選ぶとよいと思いますが、今日僕がご紹介した勉強法が一例として少しでもご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。