共働き世帯の住宅ローンで注意しなければならないこと

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近年増加傾向にある共働き夫婦。内閣府の「男女共同参画白書(概要版) 平成30年版」によると、雇用者の共働き世帯は、平成29年で約1,188万世帯、全体の65.0%と半数以上を占めています。

共働き世帯の場合は世帯収入が比較的高いので、合算することで借入れ可能額を増やすことが出来ます。また、住宅ローンの選択肢も広がります。

では、共働き夫婦が住宅ローンを組む場合は、どのような選択肢があり、どんな点に注意しなければならないのでしょうか。

目次

夫婦で借りれば、住宅ローンは多く借りられる?夫婦の借入パターン。

共働き世帯であれば、二人の収入を合算して、借入額を増加させることが出来ます。その点、より好条件でグレードの高い物件を選べるなど住宅の選択肢も広がるというわけです。

夫婦での住宅ローンの借入については、「連帯保証」「連帯債務」「ペアローン」という3つのタイプがあります。

 

〈「連帯保証」「連帯債務」「ペアローン」の違い〉

i) 連帯保証

返済が滞った場合、連帯保証人は主債務者に返済能力があるか否かにかかわらず、主債務者に代わり返済する責任を負います。
連帯保証人は団体信用生命保険の適用がなく、ローン控除が受けられないという点に注意が必要です。

ii) 連帯債務

1つの債務に対して、住宅購入者も配偶者もそれぞれが全額の債務を負うのが連帯債務です。
団体信用生命保険は住宅購入者にしか適用がないですが、住宅ローン控除は夫婦それぞれで受けることが出来ます。

iii) ペアローン

ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを借りるものです。例えば、夫婦で総額5000万円の借入をする場合、夫が3500万円、妻が1500万円とそれぞれ住宅ローンを組みます。夫も妻もそれぞれが債務者です。ペアローンの場合、妻は夫の借り入れに対し、また夫は妻の借り入れに対して、互いが連帯保証人になり、本人が返済できない場合には返済の責任を負うことになります。


夫と妻がともに借入に対する主債務者となるので、それぞれの借入額に対して団体信用生命保険や住宅ローン控除が適用されます。例えば、先ほどのケースの場合、夫に万が一のことがあった場合、3500万円分に関しては、団体信用生命保険で全額完済され、妻の債務分、1500万円はそのまま残ります。
一方で、ペアローンは2本の契約となるので、事務手数料や印紙代などは2本分かかることに注意が必要となります。

2人分の住宅ローン減税が全て”得”とは限らない

住宅ローン減税は毎年末の住宅ローン残高の1%分を13年間所得税から減税できる制度です(1年あたり最大50万円まで)。ちなみに、以前は控除期間が10年間でしたが、消費税が10%に増税されてからは、13年間に拡充されました。所得税から減税しきれない金額がある場合には翌年の住民税からも一部減税ができます。

そして、ペアローンや連帯債務型の収入合算の場合、夫婦それぞれが住宅ローン減税を使うことができます。2人分の税金が安くなるとなれば、嬉しい話なのですが注意点があります。

住宅ローン控除はそもそも、所得税や住民税から引かれるものなので、そもそも、収入がなければ税金も発生しないので、マイナスにしようがありません。例えば、産休・育休で年収がなく(少なく)所得税も住民税も発生しなければ、住宅ローン控除の恩恵を受けることが出来ません。万が一、保育園に入れずに育休期間を延長せざるを得ない場合、また、退職して専業主婦になる場合、結果的に、夫一人で住宅ローンを組んだ方がよかったとなる可能性もあります。

ライフプランを考えて検討を

住宅ローンは、今後の人生設計をしっかり考えて無理のない範囲で計画しなければなりません。この度のコロナショックで、具体的には、給料が下がった、ボーナスが出なかった、職を失ったなど、想定していた未来と大きく変わってしまった方も世の中にはたくさんいます。そんな状況でも住宅ローンの返済は、毎月やってくる訳です。

保険と同じく、「万が一~~になったら」としっかり検討した上で、住宅ローン計画を立てるようにしましょう。

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