県によっては60万円超!高額な入会金
まず弁護士会の入会金の高額ランキングを見てみましょう。
弁護士会への入会は、日弁連への登録料3万円や登録免許税6万円とは別に、単位会にも入会金等を支払う必要があります。
入会金の金額トップ5は次のようになっています。
奈良弁護士会 | 60万円 |
香川県弁護士会 | 57万円 |
大阪弁護士会 | 43万円 |
徳島弁護士会 | 40万円 |
和歌山弁護士会 | 35万円 |
上記に加えて登録料と登録免許税を支払ったとすると、奈良弁護士会への入会に合計69万円がかかるということになります。
逆に低額ランキングを見てみましょう。
東京弁護士会 | 3万円 |
千葉県弁護士会 | 3万円 |
岩手弁護士会 | 3万円 |
函館弁護士会 | 3万円 |
その他、4万円や5万円の単位会は複数存在します。
3万円から5万円の単位会がたくさんあるにもかかわらず、35~60万円の単位会・・・恐ろしいものです。
なぜこんなに高いのでしょうか。
入会金が高額になる理由とは
実は大阪弁護士会は43万円のうち40万円が「会館負担金」となっています。
大阪弁護士会の会館は、平成18年に、総工費約65億円で建設されたといわれています。
65億円を40万円で割ると、1万6250人ということになります。
ちなみに、72期の一斉登録で大阪弁護士会に登録した人数は117人だそうです。
大阪弁護士会の入会金が高い状況はしばらく続きそうです・・・
次に、月会費の年間総額を見てみましょう。
5年目以内だと優遇される単位会も多いようですが、ここでは5年目以降の会費を参照します。
まずは高額な単位会から、
山口県弁護士会 | 117万8400円前後(岩国支部) |
島根県弁護士会 | 102万1400円 |
釧路弁護士会 | 115万4400円(帯広支部) |
その他、80万円から100万円に近い単位会は多くなっています。
考えてみてください。
弁護士生活を40年続けるとすると、4000万円を弁護士会に支払うことになるのです。
家が建ちますよ。
低額な単位会でも、50~60万円となっています。
弁護士生活を40年続けるとすると、2000万円を超えるということになります。
年間60~100万円の価値があるのか?
さて、このような支出はなぜ生じるのでしょうか?
もちろん日弁連と単位会の運営のためです。
では日弁連Tの単位会は何のためにあるのか、それは弁護士自治のためでしょう。
弁護士自治の価値についてはここでは割愛するとしても、
それにしてももう少し節約できないものでしょうか。
我々が身近で享受している弁護士会のありがたみ、というと以下のような機能があります。
- 23条照会の審査・事務
- 職務上請求の用紙の購入
- 相手方弁護士と交渉する打ち合わせ室の利用
- ひまわり求人ナビの利用
- 入退会の事務
- 懲戒制度による弁護士の質の担保
あたりでしょうか。
果たして、これに対して、年間60~100万円の価値があるのでしょうか。
弁護士会のコスト削減を
テレワークが推奨されてきている現在、会館の立地にこだわる必要はないのではないでしょうか。
東京の弁護士会館は大きすぎます。コロナの影響もあって大人数が集まることもないので、2階のクレオはもういらないでしょう。会館の半分くらいは有料で貸し出して、法律事務所のオフィスにでもしたらどうでしょうか。
霞が関駅から直結で、裁判所の隣となると、かなり高額な家賃でも借りたいというボス弁は多いはずです。家賃はオークション形式で、高い入札をした法律事務所に適宜貸していくのが良いでしょう。
職員の数はそこまで必要でしょうか。
メスを入れづらいところですが、企業経営であれば当然意識するところです。
職員一人一人の業務を確認して、無駄なものは削減し、能率を上げて人件費を削減してほしいものです。
しかし、やらないでしょうね。
会長がこれをやったところで職員に嫌われるだけで、自分の利益になるわけではないですからね。
いつになったら自由と正義や会報誌は電子化されるのでしょうか。
わざわざ本にして郵送して、どれだけの無駄なコストをかけるのでしょうか。
ホームページに掲載して、会員には毎月メールで告知することで足りるように思います。
上層部が印刷会社などと癒着してるのではないかとも勘ぐってしまいます。
少し愚痴っぽくなってしまいましたが、弁護士会費が高すぎることと、弁護士会のコスト削減というのは、弁護士自治における永遠のテーマではないでしょうか。
コスト削減の鬼、みたいなコンサル業者を入れてみたりしたらどうでしょうか。
削減したコストに対する成功報酬制でやってくれるところもあるはずです。
次の弁護士会の会長選挙ではそのような公約も期待したいところです。