開業時の顧問先の数について、20社から月額5万円で100万円を一つの基準とすべきという記事を掲載させていただいたところ、多くの反響をいただきました。
独立開業における20社100万円説への反響
多くは以下のように否定的な、現実的ではないといったご指摘のコメントをいただいています。
顧問20社とか無理やろ、5〜10あればいいなと思うけど https://t.co/fucNZL06GK
— kura (@tapesut) November 11, 2020
独立時(1人)でこの量だと顧問先ごとの時間管理すら大変で、他の仕事回せなくなる自信ある。 https://t.co/e9fbaX0el7
— SWG (@SwgngwS) November 11, 2020
独立するのに何年かかるんだろ。20年くらい? https://t.co/CdzZhHrxGx
— まゆろん (@mayukotaniguchi) November 11, 2020
これ、なにがツッコミどころかって、1社5万/20社が必ずしも無理というのではなく、それが独立のタイミングだという点なんだよ。イソ弁時代にそれができる人なら、0社の時点でさっさと独立した方が良いんだよ。どう考えても。 https://t.co/ahNzbnZVCp
— Document35 (@document35) November 11, 2020
おとといきやがれ https://t.co/mHuLxv5V7L
— たけうち のぶやす/肝臓ニキ (@nob0117) November 11, 2020
リプ0
— うそつきべんごし。 (@LiarLawyer800) November 11, 2020
リツイ0
で、否定的引用リツイしかないwww https://t.co/zMQFK5IOCP
他方で、やや肯定的とも思われる投稿も以下のようにいただいています。
色々と批判が多い記事ですが、数年前に弊所から独立した某氏は、当時このくらい(いやそれ以上)稼いでいたと記憶しています。 https://t.co/MSMMCDVsHC
— 高橋喜一 エンジニアから弁護士になった男 (@kiichiben_omote) November 11, 2020
20社も顧問はいらないと思うけど、スポット案件も含めて事務所案件を除いた売上1000万円くらいが一つの目安かな。ライフスタイルにもよるけど、売上1000万円あれば、生き残っていけるとは思う。顧問の方が安定はするけど、スポット案件も大体均等化して受任できると思う。 https://t.co/3LOMCfS8eI
— 中村剛(take-five) (@take___five) November 11, 2020
その後、弁護士学園のtwitterアカウントでアンケートを取とらせていただいたところ、開業された133名の弁護士の方から回答を得ることができました。
法律事務所を開業された弁護士の方に質問です。開業時の顧問先は何件でしたか?
— 弁護士学園 (@bengoshigakuen) November 11, 2020
アンケート結果によれば、61%の方が、開業時に顧問先が0社だったということになります。
他方で顧問先が11社以上の方は8%しかいないという結果になりました。
独立開業における20社100万円説を提唱いただいた弁護士の方からのコメント
ここで、独立開業における20社100万円説を提唱いただいた弁護士の方に、あらためてコメントをいただきました。
私が月額5万円の顧問先を20社、合計100万円の売り上げを安定させてから独立すべきと唱えたことは間違いありません。
今でもそう思います。
むしろ、顧問先0件で独立した人に聞きたいです。
無計画すぎませんか?
事務員の生活に責任を持てますか?
家賃払えますか?
とにかくいろいろ心配じゃないですか?
と
30年前であれば、弁護士の数が少ないので、黙っていても紹介の紹介の紹介、というような形で事件が回ってきたと思います。
今は弁護士の数が増えただけではなく、2000年に広告が解禁されたことも大きく影響すると思います。
以前は弁護士の知り合いがいない人は、知り合いの知り合いなどの弁護士に相談していたのです。
しかし、今は、弁護士の知り合いがいない人は、ネットで広告競争力のあるアディーレやベリーベストに相談にいってしまうでしょう。
開業早々に小規模な広告を出してみても、案件は来ません。
以前は弁護士ドットコムに月3~5万円を払えば食えていた、というのが今は無理だということは共通理解でしょう。
月に数十万円の広告費を支払っても、なかなか集客がうまくいかない時代になりました。
月に数百万、数千万円支払っている事務所の広告に勝てないのです。
案件が少なければ、国選・法テラスでも取りに行かざるを得ないということになります。
他の事務所は断るような厳しい事件や、難のある依頼者の事件も受けなければなりません。
結果として、疲弊して独立なんてやめておけばよかったということになるのです。
事務所の固定費約60万円を支払いつつ、自身の生活費や、今後スケールさせるための広告費と生活費を考えると、やはり月100万円の安定収入が必要でしょう。
譲歩するとしたら、地方によっては固定費を圧縮して40~50万円にすることはできると思います。
そうすれば、顧問先の数は20社ではなく、16社程度でもいいかもしれません。
また、月に1件はスポットで単価50万円の案件が見込めるとします。
そうすれば顧問先は10件程度でもいいかもしれません。
いずれにせよ、国選・法テラス、他の事務所で断られるような案件や依頼者と付き合わずに安定した基盤を築くこと、その安定した基盤を元に事務所をスケールさせていくことを考えていただきたいと思います。
顧問先の獲得、無理だと言っても始まりません。
まずは動くことからしてみてください。
3か月に1社とれば、1年で4件、5年で20社になります。
頑張りましょう。