「法律の世界は、ただの教科書や講義では決して知ることのできない、リアルな現場がある。」そんな想いを胸に、私は都内の国立ロースクールを修了した後、さらなる実践的な学びを求めてサマクラに参加しました。これは、そんな私のサマクラ体験記です!
サマクラでは、労働問題(会社側)を主に扱う都内の法律事務所での2日間のインターンシップに参加。履歴書と弁護士志望の動機を綴った小論文を提出し、選考を経て参加が決定となりました。この体験は、法律業界に身を置こうとする私にとって、貴重な学びと実践の場となりました。
参加者は私を含め3人。皆、さまざまなバックグラウンドを持つ者たちが集まり、九州からの参加者もいました。互いの経験や知識を共有しながら、業界のリアルを学び、理解を深めていくことになります。
この体験記では、そんなサマクラでの学びや感動、そして弁護士としてのキャリアについての新たな視点を共有します。法律の世界への一歩を踏み出すすべての人にとって、この記録が一助となれば幸いです。
サマクラの概要
初日
午前の部
まずは9時に事務所に集合し、事務局さんから2日間の日程及び銀行口座の登録、サマクラアンケート(デジタルフォーム)の入力の仕方などを教えていただきました。その際、近隣のオシャレなカフェのコーヒーを振る舞ってくださり、「さすがお洒落な街の事務所だ…!」と、参加者のテンションが上がりました。
10時になり、事務所の定例会議にそのまま参加。
この時、所属弁護士の紹介や事務局さんの紹介をしていただき、サマクラ生も自己紹介をして、和やかにサマクラがスタートしました。
また、事務所会議の際にはランチ会を兼ねているとのことで、みんなで美味しいご飯を食べながら今後の事務所のプラン、現状の確認などといった、まるで所属弁護士かのような企画会議に参加させていただきました。 ときに事務所ホームページのデザインについて等、「あー、確かに依頼者の方からしたら事務所の印象を決めてしまう最初の一歩だよなぁ」と思うと、サマクラ生からのアイデア出しにも真剣味が出ました。
午後の部
パートナー弁護士に師事し、まずは顧問先との打ち合わせに同席しました。
担当弁護士は、当たり前ですが企業の現状をしっかり分析した上で、中長期的に見て企業にとってのメリットとなる法務提案を分かりやすく行っていました。視覚で訴えるためにパワーポイントなどを用いて資料作成をしていたのも印象的でした。
弁護士業は、単に法的観点からアドバイスをすることだけではなく、一般企業の営業職のように、うちの法律事務所を使ってもらうメリットといった点も打ち出してサービス提供をする点を学べたのは勉強になりました。
受け身の姿勢でいるだけでは、厳しい東京の弁護士業界で先細ってしまうのだなと感じました。
その後、所属弁護士のパートナー2名に、ざっくばらんに話を伺う時間がありました。
先生方はみんなフランクに、受験生だったときの話や修習地の決め方、最初の事務所選びで重視した点などを教えてくださり、とても勉強になりました。
1番多く話を伺う機会があったのは女性弁護士の方でしたが、気になるライフプランの話も伺うことが出来たのは有り難かったです。
サマクラでは、サマクラ生の属性に応じた先生を宛てるよう配慮してくださる事務所が多いと思います。なので、もちろん緊張するかとは思いますが、この機会に沢山話を聞いて、働くイメージを深められるとその後の就活に役立つと思います!
2日目
午前・午後の部
2日目は、サマクラ生に与えられた課題起案を行いました。
課題は、
- 民法の知識
- 労働問題の事案
- 契約書のレビュー
の3つが、課題として出されました。
民法の知識編
まずは民法の知識、要件事実を確認しつつ実際の事件を題材とした問題を検討しました。
労働問題の事案編
次は労働問題の事案でした。私は労働法を履修していなかったので、まずは基本書を読んで該当しそうな条文から確認することになったのでなかなか大変でした。
ですが、他のサマクラ生の中に労働法選択者の方がいたので、未履修組はその方に少しレクチャーしてもらいながらなんとか形にできました(苦笑)。
賛否あるかもしれませんが、せっかくサマクラで一緒になったのだから、積極的に話しかけたり、得意分野では頼り頼られたりして親睦を深めるのも大切ではないかなと思います。
契約書のレビュー編
最後の課題は、契約書のレビューでした。契約書自体をしっかり見るのも初めてだったので、どこから手をつければいいのかかなり迷いました。この課題は、最初から他のサマクラ生と一緒に検討できるものだったので、皆んなであーでもないこうでもないと言いながら検討しました。
結果的には、『え!そこか!』というような、契約締結段階での初歩の初歩が欠けているという点が問題となっている書面だったのですが、これがかなり勉強になりました。
「何かもっと複雑な法的観点が抜けているのでは?」という先入観で取り掛かってしまいましたが、何事も基本的なことからしっかり確認していくことの大切さ、論点のようなものに飛びつかない大切さを学びました。
終日、問題検討と講評の流れでしたが、サマクラ生の起案を現職の弁護士にチェックしてもらい、良かった点悪かった点を伺える機会はとても貴重で有り難かったです。
そして、要件事実の大切さをめちゃくちゃ学びました…。苦手意識があったので、修習前に一通り復習しないとなと痛感しました(苦笑)。
懇親会
アソ、パートナー弁護士3人とボス弁護士、サマクラ生でご飯に行かせてもらいました。
事務所御用達のお店のようで貸切でした!!
他のお客さんがいないので、皆さん少し外だと喋りにくいかな?というような内容でも、じゃんじゃん答えてくれました(笑)
やはり気になる就活事情や、最近の弁護士業界で勢いのある事務所、逆に下火かな?と思う分野などを教えてもらい、とても有意義でした。先生方それぞれのキャリアプランを教えていただけたのも有り難かったです。
独立志向のある先生の話も興味深かったですし、支店や、新たな取扱分野を増やそうとしているボスの話はやはりとってもワクワクしました。また、サマクラ生それぞれの志望分野や就活状況なども聞けて勉強になりました。
地方出身者の方も参加していたため、地方での弁護士事情なども少し伺うことが出来、都会か地方かという新たな悩みもできました(笑)
総じて仲良くサマクラができ、とても良い方に恵まれたなと思いました。