法律事務所の履歴書の書き方、面接の受け方

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履歴書の書き方や面接の受け方は、採用をする側になるまでは何が正解か分からないのではないでしょうか。

少なくとも私はそうでした。

修習の頃、履歴書は30通ほど出して、面接は10回くらい行ったと思います。

現在は、逆に30人以上を面接して、多くの修習生を落としてきました。

今だから分かる法律事務所の履歴書の書き方、面接の受け方を記載してみたいと思います。

目次

履歴書のポイント

書式自由の場合、経歴を書くのは当然として、あとは何を書くべきでしょうか。

社会人経験のある人であれば職務経歴でボリュームを出すことができますが、新卒であれば本当に自由ということになります。

お勧めは以下です。

  • ・その法律事務所への志望動機
  • ・法曹を志した理由
  • ・趣味、特技、部活、サークル活動
  • ・アルバイト経験

① 志望動機の書き方

まずは、対象となる法律事務所について、可能な限りの情報を集めましょう。

基本はインターネットになると思いますが、知っている人がいれば口コミ情報もあるに越したことはありません。

その事務所がどういう業務分野を取り扱っているか、どういう弁護士が所属しているか。

それと自分の経歴や、考え方を結び付けて、論理的に、なぜこの法律事務所に行きたいのか、を書きましょう。

雇う側からしてみると「うちの事務所をきちんと調べてくれているんだな」「採用時と入所後のギャップが少なそうだな」ということで好ポイントになります。

② 法曹を志した理由

法曹を志した理由は聞かれることも多いと思います。

しかし、ほとんどの人が大した理由なく法曹を志しているので、ここでは目立とうとせずに、卒なく答えることを心がけましょう。

子どもの頃に親が離婚して、とか、親が破産して、ということを書く人も多いですが、採用されるかどうか分からない法律事務所に、家庭の法律問題をさらけ出さなくてもいいように思います。

雇う側としても、目立った回答を期待しているのではなく、無難な答えを期待しています。

③ 趣味、特技、部活、サークル活動

多くの法律事務所が狭い組織です。

趣味が酒や麻雀の方が合う事務所もあれば、読書や映画鑑賞などの方が合う事務所もあるでしょうし、趣味は特に気にしないという事務所も多いでしょう。

ただ、趣味を特に気にしない事務所にしても、書いてあれば面接時に話のネタになるのです。

雇う側としては、業務や法律に関する堅い話題だけではなく、趣味や特技などの砕けた話題についても話し、人柄を知りたいと思うのです。

④ アルバイト経験

たまに全くアルバイトをしたことがないような人がいますが、雇う側としては警戒します。

司法試験を受ける人は、基本的に社会性が少ない人が多いですが、その中でもアルバイトをしたことがないというと、全く社会やお金の稼ぎ方を知らないのではないかと不安になります。

逆に、接客や肉体労働のアルバイトを2年以上続けている、ということであれば、コミュニケーション力や体力、忍耐力などに期待を持てますので、積極的に書いてもらいたいところです。

簡単ですが、以上が履歴書のポイントになります。

履歴書が完成したら、必ず同期や先輩に見せて意見をもらいましょう。

これは書かない方が良いよ、等、少しでも疑義がある内容は素直に修正しましょう。

また、同期の履歴書を見せてもらうことも有益です。

ある意味、論文の答案と同じで、優れた履歴書、というのが世の中にはあります。

自分より優れた履歴書があれば真似しましょう。

最初に就職する事務所は人生を左右しますので、手を抜いてはいけません。

面接のポイント

採用する側からズバリ言わせてもらうと、面接は最初の2分くらいでだいたい心証が決まります。

残りの時間は、最初の心証の点検作業ということになります。

ダメな例を先に挙げますと

  • ・名刺交換の作法を知らない。
  • ・作法は知っているけど、手が震えている。
  • ・寝癖がある。
  • ・服装が乱れている。
  • ・普通の会話ができない。

心証が悪くなるポイントは避けよう

まず形式的なところですが意識してほしいのは、名刺交換の作法や髪形や服装は、がっつり見られている、ということです。

当たり前の普通のことができていない人は雇いたくないのです。

雇っても、依頼者の前に出すことができないですし、当たり前のことができない人はいろんなことが抜けている可能性が高いのです。

また、指摘して直るものかどうかは分かりませんが、普通の会話ができない人は、思ったより多いです。

人から「ちょっと変わっているね」と言われるような人は、どういうところが変わっているのかを聞いたり、改善するようにしましょう。

「ちょっと変わっている」人だと、面接はもちろん、弁護士になってからも非常に苦労します。

良い例は上記の逆で、名刺交換の作法ができていて、身なりがしっかりしている、堂々として意欲がありそうに見える、普通に会話ができる、ということになります。

第一段階をクリアしたら、あとは何を見るか、雇う側としては、面白い弁護士を雇いたいわけではありません。

普通に真面目にデキる弁護士が欲しいのです。

どんな質問にも、ごく普通に、極端なことやウケ狙いはせずに、真面目に回答しましょう。

質問に応じて、堂々と自信を持って答えたり、少し悩みを見せつつ謙虚に答えたり、空気感を大切にできるとなお良いです。

最後に質問をする際のポイント

最後に、何か質問はありますか、と聞かれることも多いと思います。

この時どのようなことを聞くかは少しポイントになるでしょう。

雇う側として、聞かれて良いなと思った質問は・・

その事務所と他の事務所を比べたときに、その事務所の方が優れている部分があったとして、その部分をどうやって作りだしたか、などを聞くといいでしょう。

聞かれた側は気分がよくなりますし、他との違いを良く見てくれているんだなという印象を抱きます。

あとは、入所後のキャリアビジョンなど、説明がなければ聞いてみるといいでしょう。

悪しき慣習ですが、面接後、面接を受けた側から、入所を希望するようであれば面接の御礼のメールを送る、ということが多いように思います。

事務所によっては、御礼のメールがなければ興味がなかったんだなと受け取るところもあります。

こんなことで修習生の負担をかけても仕方がないと思いますが、テンプレートでも作って簡単に送れるようにしておくと良いでしょう。

現在の法律事務所は売り手市場であり、普通にやっていれば、最終的に就職できなかった、ということはありません。

1年間の修習中に、いつかは決まると思って気楽に、でも手は抜かずに、まずはしっかりとした履歴書の作成から始めてみてください。

皆さんが希望の法律事務所に入所できることを祈っています。

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