自由と正義:2021年3月号
弁護士会:埼玉弁護士会
弁護士名: 加藤善大
登録番号:45584
法律事務所名:東所沢法律事務所
処分の内容:業務停止6月
処分の理由の要旨:
(1) 被懲戒者は、2018年6月1日、未成年者Aの親権者である懲戒請求者BからAの相続放棄申述手続を受任し、その手数料等として同月15日までに10万8000円を受領したが、その後、連絡が取れなくなり、相続放棄手続のなし得る期間内に手続を行わなかった。
(2) 被懲戒者は、2018年7月6日、懲戒請求者Cから同人を被請求者とする慰謝料請求交渉事件を受任したところ、同年9月11日、実際には示談が成立していないにもかかわらず、あたかも示談が成立し、弁護士の成功報酬も発生しているかのような記載のメールを送信して、懲戒請求者Cに対し示談金や弁護士報酬等合計84万4000円を振り込むよう請求し、その支払を行わせた。
(3) 被懲戒者は、所属弁護士会から業務停止2月の懲戒処分を受け、2019年5月9日にその効力が生じたところ、同月13日、人事訴訟の期日に代理人として出頭し、同月14日、受任した刑事事件に係る示談書を検察庁に提出した。また、被懲戒者は、所属弁護士会から上記懲戒処分を受けたことから、受任している法律事件について直ちに依頼者との委任契約を解除した上、委任契約を解除した依頼者及び事件を新たに取り扱う弁護士に対し、誠実に法律事務の引継ぎ等をなすべきにもかかわらず、一部の受任事件について、契約の解除手続をせず、預り金や資料の返還をしなかった。
(4) 被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第35条に、上記(2)の行為は同規定第6条に違反し、上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
処分が効力を生じた日:2020年9月