2020年3月、令和2年度の税制改正案が成立しました。これにより、2024年以降、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAなど各NISAについて一部変更になる予定です。
2024年なので、少し先の話になりますが、予め知っておくに越したことはありません。
今回は、一般NISAについての変更点を中心にお伝えしたいと思います。また、ここでは、2023年までの現行制度を「一般NISA」、2024年からを「新NISA」と表記しています。
期間延長で、非課税で運用できる期間が5年延びる
1つ目の改正点は、現在、一般NISAで投資できる期間は2023年までとなっていましたが、2024年から5年間延長され2028年までとなりました。
これまで一般NISAで投資してきた分も、ロールオーバーが出来るということになります。
新NISAは2階建て
新NISAになると、一般NISAの非課税枠120万円よりも2万円と少しだけ多くなり、年間122万円の非課税枠になります。
加えて、5年延長されるわけなので、投資家としては、ありがたいことなのですが、実は、新NISAは少し複雑になってしまいます。
■新NISAのイメージ
1階部分、2階部分をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
1階部分はつみたてNISAと同じ
1階部分は上限が20万円で、商品はつみたてNISA(厳選された投資信託、約170銘柄)から選ぶことになります。
ここで重要なのは、原則、1階部分の購入方法は、積立のみとなる点です。つまり、価格が下落しているタイミングを狙って、一括でまとめて購入などといったことが出来ません。
更に、原則として、1階部分を利用しなければ、2階部分での投資をすることはできなくなります。ただし、1階の非課税投資枠20万円をすべて埋める必要はありません。
少額でも、1階の対象商品の積立設定を行えば、2階部分での投資を行うことが可能です。
また、例外もあり、これまでNISA口座を開設していた人、または上場株式等の取引を行ったことのある人については、1階部分を利用せずに2階部分に投資をすることができます。
なお、この例外措置では、投資対象が「上場株式」に限定されている点にも注意が必要です。
とは言っても、新NISAの2階部分だけでは投資上限が102万円と現行の120万円から18万円分も減ってしまうので、非課税枠を十分に活用したければ、1階の積み立て投資も利用した方がいいと言えます。
2階部分はこれまでの一般NISA
2階部分には、年間102万円まで投資することが出来ます。投資出来るのは、現状の一般NISA対象商品からレバレッジ(※1)を効かせている投資信託、及び上場株式のうち整理銘柄(※2)・監理銘柄(※3)を投資対象から除外した商品となります。
※1レバレッジ:預けている資金以上の取引をすること
※2整理銘柄:金融取引所の上場廃止基準に該当し、上場廃止が決まった銘柄
※3管理銘柄:券取引所が上場廃止基準に該当する恐れがある銘柄
まとめ
新NISAはより複雑になります。しかし、売却益や配当金が非課税であるというNISAの原点に戻って考えるとやはりお得な制度です。
1年間の投資上限がきまっているため、早く始めた方がその分投資出来る金額も増えますので、まだチャレンジしていない方は、是非、取り組んでみてはいかがでしょうか。