懲戒情報|事件放置、説明義務|2021年1月号(3)

自由と正義:2021年1月号

弁護士会:島根県弁護士会

弁護士名:淺田憲三

登録番号:18493

法律事務所名:淺田憲三法律事務所

処分の内容:業務停止8月

処分の理由の要旨:

(1) 被懲戒者は、200511月頃、Aから破産手続開始申立てを行う方針で債務整理を受任し、Aとの間で実費等を含む着手金を分割で支払うことを合意したが、Aがこの分割金を全く支払わなかったため、債権者である懲戒請求者B株式会社が被懲戒者に和解の連絡をしても弁護士費用の未納等を理由に事案の対応をせず、約13年間放置した。

(2)ア 被懲戒者は、200710月頃、懲戒請求者Cから債務整理事件を受任し、破産手続開始及び免責を申し立てる方針であったにもかかわらず、20171128日の委任契約解除に至るまで申立てを行わず、債務整理事件の処理を怠った。

   イ 被懲戒者は、懲戒請求者C2012年にD株式会社から、2015年にE協会からそれぞれ債務の履行を求める訴訟を提起された際、これまでの事情及び事実関係並びに債務整理事件に関する手続きの見通しなども含めて説明した上で、訴訟事件の受任の可否及び訴訟対応について了解を得るべきであったにもかかわらず、それらをせずにいずれの訴訟事件も受任し、裁判所に訴訟委任状や答弁書を提出することもせずに期日に欠席し、漫然と懲戒請求者敗訴の判決を確定させた。

  ウ  被懲戒者は、201510月頃、懲戒請求者Cに一切の説明をすることなく、E協会に対し、懲戒請求者C及びその妹Fの代理人として、Fが懲戒請求者Cの債務の履行を引き受け、毎月4万円ずつ履行することを約する内容の念書を提出した。

(3)  被懲戒者は、20117月頃、Gから任意整理を内容とした債務整理事件を受任したが、債権者から消滅時効期間前に時効中断手続として訴訟提起等がなされた場合、それまでの間に生じた遅延損害金の負担が生じる可能性があることなどの不利益について説明する必要があったにもかかわらずこれを怠り、また、その事件につき適切な報告をしなかった。

(4)  被懲戒者は、2017623日、懲戒請求者Hから土地所有権確認等請求訴訟を受任し、着手金50万円を受領して訴訟代理人として口頭弁論期日に出廷する等していたが、同年918日に面談した後、懲戒請求者Hと協議を行う必要性が高かったにもかかわらず、約5か月間もの間、事件の経過に関する報告や説明を怠り、また、協議を行わなかった。

(5)  被懲戒者は、懲戒請求者Iから婚姻費用分担調停申立事件等を受任したところ、20181112日の調停期日の後頃から、懲戒請求者Iが連絡を試みたが被懲戒者と連絡が取れず、苦情の申出を受けた所属弁護士会の市民窓口の対応者から連絡を受けた201919日以降も懲戒請求者Iに連絡をしなかった。また、被懲戒者は、上記調停申立事件につき、同年14日付けで、懲戒請求者Iが相手方に対し毎月9万円を支払うこと等を内容とする調停に代わる審判がなされ、その頃、審判書が被懲戒者に送達されたが、これを懲戒請求者Iに送付せず、その結果、懲戒請求者Iが上記審判に対する不服申し立ての機会を失った。

(6)  被懲戒者の上記(1)及び(2)アの行為は弁護士職務基本規程第35条に、上記(2)イの行為は同規定第29条第3項及び第36条に、上記(2)ウ、(4)及び(5)の行為同規定第36条に、上記(3)の行為は同規定第36条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

 

処分が効力を生じた日:2020年7月

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この記事を書いた人

日本弁護士連合会に登録している約4万2000人(2020年10月現在)の弁護士を中心に、法律事務所職員、司法修習生へ、法律事務所の経営や集客、仕事術に関するお役立ち情報と、弁護士の資産形成、業界情報などについての情報発信を行っています。

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