懲戒情報|説明義務、委任契約書作成義務、上訴期限|2020年1月号(2)

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自由と正義:2020年1月号

弁護士会:埼玉弁護士会

登録番号:3万番台

処分の内容:戒告 

処分の理由の要旨:

(1) 被懲戒者は、日本司法支援センターでの法律相談を契機に、懲戒請求者Aから交通事故に基づく損害賠償請求事件を受任し、懲戒請求者Aに民事法律扶助の申込書に署名させた上、申込みに必要な書類の交付を受けたにもかかわらず、申込みを行わなかった。また、被懲戒者は、民事法律扶助を利用しないのであれば、弁護士費用など契約条件を明確にする委任契約書を作成すべきところ、委任契約書を作成しなかった。さらに、被懲戒者は、上記事件について、預かり保管中の自賠責保険金から費用として金銭を受領するに当たり、懲戒請求者Aから民事法律扶助を利用しないことの同意を得なかった。

(2) 被懲戒者は、Bから懲戒請求者Cを被告とする訴訟事件を受任し、2016年1月28日に請求棄却の判決が言い渡されたところ、控訴期間満了日の正午頃にBから控訴状の提出要請を受け、ほぼ間に合う可能性がないにもかかわらず、郵送による控訴状の提出要請を受け、同日の午後、B名義の控訴状を郵送で提出し、その結果、控訴状は控訴期間満了日の翌日に裁判所に到達した。

(3) 被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第5条、第29条及び第30条に、上記(2)の行為は同規定第5条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

 

処分が効力を生じた日:2019年9月

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