懲戒情報|委任契約書作成義務、事件放置(預かり品の返還)|2020年8月号(2)

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自由と正義:2020年8月号

弁護士会:福井弁護士会

登録番号:3万番台

処分の内容:戒告

処分の理由の要旨:

(1) 被懲戒者は、2017年5月15日付けで、懲戒請求者から同人を被告とする刑事事件の第1審の私選弁護人に選任された後、同年9月から2018年1月頃にかけて、受任事件と直接関係するとは判断できないものや受任事件が終了した後に懲戒請求者から一方的に送付されたものも含めて、いつまで預かるか、有償か無償か等の取決めをしないまま、懲戒請求者から写真、書籍、携帯電話、年賀状等を預かり保管し、上記事件の控訴審における懲戒請求者の国選弁護人であったA弁護士から、遅くとも同年2月頃から、複数回にわたり問合せを受け、また、返還するよう催促を受けたにもかかわらず、寄託品の種類、名称、有償寄託か無償寄託か等について明確な回答をせず、同年5月になってようやく預かり品の一部を返還したものの、2019年2月頃まで全ての預かり品の返還を完了しなかった。

(2) 被懲戒者は、上記(1)の事件を受任した際、報酬に関する委任契約書を作成することが困難な事情が見当たらないにもかかわらず、これを作成しなかった。

(3) 被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第39条及び45条に、上記(2)の行為は同規定第30条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

 

処分が効力を生じた日:2020年2月

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