懲戒情報|委任契約書作成義務、説明義務|2020年10月号(3)

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自由と正義:2020年10月号

弁護士会:大阪弁護士会

登録番号:1万番台

処分の内容:戒告

処分の理由の要旨:

(1) 被懲戒者は、懲戒請求者から刑事事件を受任し、2014年6月2日、着手金を請求するに際し、懲戒請求者が再逮捕や追起訴、実刑判決の回避を望んでいることを認識しながら、具体的な弁護活動の内容について全く話題にしないまま、別途弁護士費用や成功報酬が発生するか否か、着手金の対象となる受任事務の範囲等について適切な説明を行わず、着手金の対象となる受任事件に限った委任契約書の作成が可能であったにもかかわらず、委任契約書の作成をせずに、懲戒請求者に対し、着手金として432万円を請求し、これを受領した。

(2) 被懲戒者は、2014年6月8日、(1)の事件に関し、少なくとも弁護士費用であることの説明は可能であったにもかかわらず十分な説明をせずに、懲戒請求者に対し、「工作」のための「軍資金」という曖昧かつ懲戒請求者に誤解を与える表現を用い、同月9日を支払期限としてメールで120万円を請求し、これを受領した。

(3) 被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規定第29条第1項及び第30条第1項並びに弁護士の報酬に関する規定第5条第2項に、上記(2)の行為は弁護士職務基本規定第29条第1項に違反し、いずれも弁護士法第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

 

処分が効力を生じた日:2020年3月

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