懲戒情報|利益相反|2021年5月号(6)

  • URLをコピーしました!

自由と正義:2021年5月号

弁護士会:第二東京弁護士会

弁護士名:小山三代治

登録番号:13385

法律事務所名:三吉法律事務所 

処分の内容:業務停止1年

処分の理由の要旨:

  1. 被懲戒者は、ビルを所有しテナントに賃貸していた有限会社Aの顧問弁護士であったところ、A社の代表取締役B及び取締役Cが、その利益を得る目的で、共同して株式会社Dを設立し、Bが、A社の代表取締役として、Cの積極的な加担の下、D社又はB及びCの利益を図るために、A社所有のビルに関し、その権限を濫用して、D社との間で、2014年4月にその管理についての業務委託契約を締結し、2015年4月に賃貸借契約を締結して、A社に財産上の損害を与えて刑罰法規に抵触し得る行為を行ったことについて、長年にわたりA社の顧問弁護士をし、かつ、D社の設立に深く関与し設立時監査役に就任するなどしていたことから、被懲戒者としては僅かな注意を払えばB及びCの違法行為の企てを容易に認識することができたにもかかわらずこれを漫然と換価し、B及びCがA社の代表取締役及び取締役として会社に損害を与えるような違法行為を行わないよう指導又は助言することを怠った上、D社の設立に積極的に協力してB及びCの違法行為の企てを容易に実現させ、もって重大な過失によりB及びCの違法行為を助長した。
  2. 被懲戒者は、2016年12月7日付けで所属弁護士会から業務停止3月の懲戒処分を受けたにもかかわらず、A社との法律顧問契約を解除せず、また、業務停止期間中であったにもかかわらず、2016年12月26日、2017年1月25日及び同年2月24日、法律顧問料として各9万8000円を受領した。
  3. 被懲戒者は、懲戒請求者EがA社、B及びCを被告として提起した取締役解任請求事件につき、2017年3月7日付けでA社らの訴訟代理人に就任したところ、同月29日付けの裁判所の決定により、B及びCがA社の代表取締役及び取締役としての職務の執行を停止され職務代行者が選任された時点で、A社とB及びCの間に現実に利害の対立が生じたにもかかわらず、同日以降も、上記職務代行者の同意を得ることなく、同年4月13日及び同年5月9日付けで、A社らの代理人として準備書面を提出し、同月10日にA社らの代理人として弁論準備手続期日に出頭した。
  4. 被懲戒者は、被相続人Fに係る遺産分割事件について、同人の相続人である懲戒請求者Gらから遺産分割事件の進め方等についての相談を受けて賛助したにもかかわらず、被相続人Fの他の相続人であるHらから委任を受けて、懲戒請求者Gらが実質的に支配する有限会社Iらを被告として、被相続人Fの遺産である土地上にあるI社らが建てた建物の収去及び土地明渡しを求める訴訟を提起した。
  5. 被懲戒者の上記(3)の行為は、弁護士職務基本規程第28条第3号及び第42条に、上記(4)の行為は同規定第27条第1号に違反し、上記各行為は、いずれも弁護士法56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

 

処分が効力を生じた日:2020年12月

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
弁護士が語る

/のリアル

無料登録して頂いた方に全てをお話ししています

目次