懲戒情報|委任契約書作成義務、妥当でない弁護士報酬|2021年8月号(6)

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自由と正義:2021年8月号

弁護士会:東京弁護士会

弁護士名:佐藤文昭 

登録番号:26711 

法律事務所名:ベストフレンド法律事務所

処分の内容:業務停止1月 

処分の理由の要旨:

  1. 被懲戒者は、2017年1月30日、懲戒請求者との間で、懲戒請求者、A及びBに関する刑事事件の捜査段階及び公判段階の弁護を受任し、捜査弁護だけでなく公判弁護の活動分も含む着手金として合計172万8000円を受領したが、Aについて、公判請求がされた同年3月2日、弁護人を辞任し、また、懲戒請求者について、同年3月1日に接見した後、懲戒請求者からの手紙による再三にわたる接見要請及び接見禁止一部解除の申立てをしてほしい旨の要請があったにもかかわらず、一度も接見せず、接見禁止一部解除の申立てもしないまま、同年4月14日、第1回公判期日前に弁護人を解任されたため、懲戒請求者から委任を受けた上記受任事件の処理は、懲戒誚求者及びAについていずれも途中で終了しており、かつ、懲戒請求者については同人の要望に応じた十分な弁護活動をしたとは認められないところ、依頼者である懲戒請求者との間で委任事件の処理が途中で終了した場合の弁護費用の清算につき特段の合意をしていないのであるから、懲戒請求者に対し、同人から受領した着手金の一部を返還すべき義務があったにもかかわらず、着手金の一部を返還しなかった。
  2. 被懲戒者は、上記(1)の事件について、委任契約書を作成することに困難な事情があったとは認められないにもかかわらず、委任契約書を作成しなかった。
  3. 被懲戒者の上記(2)の行為は弁護士職務基本規程第30条第1項に違反し、上記各行為はいずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

 

処分が効力を生じた日:2021年3月

 

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