懲戒情報|品位を害する交渉・主張、名誉毀損、信義誠実|2021年9月号(2)

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自由と正義:2021年9月号 

弁護士会:愛知県弁護士会  

弁護士名:服部勇人  

登録番号:40317 

法律事務所名:名古屋駅ヒラソル法律事務所 

処分の内容:業務停止1月 

処分の理由の要旨: 

  1. 被懲戒者は、AB間の婚姻費用分担事件におけるAの代理人であったところ、20156月22日付け即時抗告状において、探偵業者作成の調査報告書がBとCの不貞現場を撮影したものではないことを認識しながら、その調査報告書を、Cであるとの合理的疑いを排斥できない男性とBが性交渉を行っているという事実を証する証拠として引用してBの有責性を主張した。 
  1. 被懲戒者は、2016年4月にAがCに対して提起した損害賠償請求訴訟におけるA代理人であったところ、上記(1)の調査報告書がBとCの不貞現場を撮影したものではないことを認識しながら、その調査報告書の一部を外したものを証拠として提出し、その立証趣旨として、BとCが不貞行為をしている旨の事実調査がなされている事実と説明し、また、上記証拠を根拠に、準備書面において、Bと不貞行為があったことは極めて明白であるなどと主張した。 
  1. 被懲戒者は、AB間の審判前の保全処分事件等におけるAの代理人であったところ、主張書面及び即時抗告理由書において、懲戒請求者D弁護士を侮辱する記載をした。 
  1. 被懲戒者は、上記3の主張書面及び即時抗告理由書において、個別事件の調査報告書の記載内容の信用性弾劾とは関連性が乏しく、必要性も低かったにもかかわらず、また、裁判官の実名ではなく匿名で公表されているアンケート結果を根拠として、裁判官に関して「熱意がないことで有名」などと記載し、裁判官の名誉を侵害するとともに、あたかも実名で裁判官評価が行われたとの誤解を招きかねない行為をした。 
  1. 被懲戒者は、上記(3)の即時抗告理由書において、個別事件の調査報告書の記載内容の信用性弾劾とは関連性が乏しく、必要性も低かったにもかかわらず、「レベルの低い調査官」などと記載し、調査官の名誉を侵害した。 
  1. 被懲戒者は、上記(3)の即時抗告理由書において、証拠から導かれる事実から飛躍しており根拠を欠くにもかかわらず、Bを侮辱する各記載をした。 
  1. 被懲戒者の上記(1)及び(2)の行為は弁護士職務基本規程第75条に、上記(3)の行為は同規程第6条及び第70条に、上記(4)の行為は同規程第5条及び第6条に、上記(5)及び(6)の行為は同規程第6条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。 

 

処分が効力を生じた日:2021年3月 

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