自由と正義:2022年11月号
弁護士会:埼玉弁護士会
弁護士名:板垣範之
登録番号:21847
法律事務所名:板垣法律事務所
処分の内容:退会命令
処分の理由の要旨:
(1)被懲戒者は、懲戒請求者との間で、2017年3月に任意整理事件を委任事項とする委任契約を、同年9月に個人再生申立事件を委任事項とする委任契約を締結し、2019年4月と同年6月に債権者3社と和解契約を成立させたが、懲戒請求者に対し、個人再生申立ては行わず任意整理の方法に方針変更したことについて説明せず、その同意を得なかった。
(2)被懲戒者は、上記(1)の任意整理事件を受任した2017年3月以降、懲戒請求者から進捗状況について説明、報告を求められていたのに対し、具体的に説明し、報告することをせず、2018年8月以降は、数か月に1回電話がつながるかという程度となり、委任期間中、和解を成立させた3件以外に積極的に説明、報告をしなかった。
(3)被懲戒者は、2017年3月に上記(1)の任意整理事件を受任した後、懲戒請求者が他の弁護士に委任した2020年10月までの約3年半の間に、債権者13社中、受任後2年以上経過後に3社と和解を成立させたのみで、残りの10社については受任通知を送付したのみで債務整理を進めなかった。
(4)被懲戒者は、上記(1)の任意整理事件の委任契約に基づき、懲戒請求者から200万円を預かったが、これを清算せず、返還しなかった。
(5)被懲戒者は、2018年8月1日に業務停止4月の懲戒処分を、2020年4月2日に業務停止3月の懲戒処分を受けたが、上記(1)の任意整理事件の委任契約を解除しなかった。
(6)被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第44条に、上記(2)の行為は同規程第36条に、上記(3)の行為は同規程第35条に、上記(4)の行為は同規程第45条に、上記(5)の行為は同規程第78条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
処分が効力を生じた日:2022年4月