懲戒情報|事務所内問題|2022年11月号(8)

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自由と正義:2022年11月号

弁護士会:山形県弁護士会 

弁護士名:熊谷誠

登録番号:15062 

法律事務所名:熊谷誠法律事務所 

処分の内容:業務停止1月

処分の理由の要旨:

(1)被懲戒者は、同人経営の法律事務所の職員である懲戒請求者に対し、約半年の間に6回、マッサージとして懲戒請求者の身体に触れる行為を行ったり、性的な意味を含む「事務所で抱き合っていたら、私も一発でうつっていたよね。」、「事務所の部屋から二人で汗だくで出てきたら、二人で抱き合っていたと思われるよ。」などの発言を行ったりしたが、このような行為は、いずれも懲戒請求者に対して強い不快感や嫌悪感ないし屈辱感等を与えるものであり、職場における女性職員に対する言動として極めて不適切なものであったといわざるを得ない。

(2)懲戒請求者は、その後、法律事務所を退職したが、上記の行為に起因するストレスのため、適応障害との診断を受け、病状は改善傾向にあるとされるものの、令和3年9月18日の時点において、なお通院治療を要する状態であったことが認められる。

(3)以上によれば、被懲戒者が過去に懲戒処分を受けたことがなく、自らの行為を反省していることなどを考慮しても、原弁護士会の被懲戒者を戒告するとの処分は軽きに過ぎて不当であり、原弁護士会の処分を変更し、被懲戒者の業務を1月間停止することが相当である。

(4)なお、いまだ被懲戒者が懲戒請求者に対する被害弁償を行っていないのは、被懲戒者が、懲戒請求者が求める1000万円の一括支払による和解には応じられないとして、訴訟での解決を予想していたためと考えられ、係る被懲戒者の対応は理解できないところではないから、被懲戒者が被害弁償をしていないことは、処分の量定に当たって特段の考慮はしない。

 

処分が効力を生じた日:2022年9月

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