自由と正義:2021年2月号
弁護士会:山口県弁護士会
弁護士名:沖田哲義
登録番号:14618
法律事務所名:沖田法律事務所
処分の内容:業務停止3月
処分の理由の要旨:
(1) 被懲戒者は、被懲戒者の法律事務所に所属するA弁護士らと共に、有限会社B及びその他2社との間で再生手続開始の申立て等の委任契約を締結し、B社の申立代理人として上記申立てをしたが、B社から上記委任契約を解除されたため、2014年7月1日に申立代理人を辞任したところ、その後、B社らが破産手続開始決定を受け、それぞれの破産管財人が株式会社Cに対し、被懲戒者が上記委任契約を締結している間に行われたB社らからC社に対する送金等に関して否認権等を行使して金員の支払を求める訴訟等につき、C社から委任を受けC社を代理して訴訟行為を行った。
(2) 被懲戒者は、被懲戒者が雇用し被懲戒者の事務所に所属するD弁護士を被懲戒者らと共にC社の訴訟代理人又は訴訟復代理人に割り当て、D弁護士が上記(1)の各訴訟において訴訟行為を行っていたところ、最高裁判所が弁護士法第25条第1号に違反するとして被懲戒者及びA弁護士の訴訟行為を排除する旨の決定をしたにもかかわらず、その後、D弁護士がC社と2018年3月16日に改めて委任契約を締結し訴訟代理人として上記(1)の各訴訟の訴訟行為を行うことを容認し、弁護士職務基本規程第57条を遵守するための措置を何ら採らなかった。
(3) 被懲戒者は、EがFに3億円を贈与する旨の贈与契約を締結したことにつき、被懲戒者の方針の下、Eと面談の上A弁護士が贈与契約書を起案するなど関与したにもかかわらず、Eの死亡後、2017年4月3日にA弁護士らと共にFから委任を受けて訴訟代理人となり、Eの妻である懲戒請求者GがEの財産全部を包括して相続した者であると主張して、懲戒請求者Gに対し上記贈与契約に基づきFに3億円を支払うよう求める訴訟を提起し、訴訟行為を行った。
(4) 被懲戒者の上記(1)及び(3)の行為は弁護士法第25条第1号に違反し、上記(2)の行為は弁護士職務基本規程第55条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
処分が効力を生じた日:2020年3月