自由と正義:2021年3月号
弁護士会:東京弁護士会
弁護士名: 園田小次郎
登録番号:25756
法律事務所名:園田法律事務所
処分の内容:除名
処分の理由の要旨:
(1)ア 被懲戒者は、委任を受けた事実がないにもかかわらず、2016年12月頃、Aから委任を受けた代理人として、また、同じ頃、Bから委任を受けた代理人として、懲戒請求者C株式会社に対し、それぞれ過払金返還請求を行った。
イ 被懲戒者は、2016年12月から2017年頃にかけて、面識のないB外11名に対し、被懲戒者の法律事務所に勤務する事務局員をして架電せしめ、過払金返還請求事件の勧誘を行った。
ウ 被懲戒者は、2017年3月頃から同年4月頃まで、報酬を得る目的で過払金返還請求事件に関する法律事務の取扱いを周旋することを業とすると疑うに足りる相当な理由のある複数の者から、D外5名の懲戒請求者C社に対する過払金返還請求事件の紹介を受け、これらを受任した。
(2)ア 被懲戒者は、2017年7月、報酬を得る目的で過払金返還請求事件に関する法律事務の取扱いを周旋することを業とすると疑うに足りる相当な理由のある者から懲戒請求者EのF株式会社に対する過払金返還請求事件の紹介を受けた。
イ 被懲戒者は、懲戒請求者Eから過払金返還請求事件を受任するに当たり、面談することに困難な特段の事情がないにもかかわらず、懲戒請求者Eと面談せず、懲戒請求者Eの生活状況等を聴取せず、また、F社と和解するか否か、及び和解する場合の和解金の金額等について懲戒請求者Eの意思を確認しないまま、被懲戒者の法律事務所に勤務する事務職員をしてF社との間において和解を成立させた。また、被懲戒者は、F社との間で2017年9月1日付けにて和解契約書を作成し、これを受領し、かつ、懲戒請求者Eから2018年11月23日付け書簡により書類の返却を求められたにもかかわらず、上記契約書の原本又は写しを懲戒請求者Eに遅滞なく交付せず、また、F社から2017年10月31日までに過払金170万円の返還を受けたにもかかわらず、懲戒請求者Eに対する速やかな報告等を怠り、清算方法を協議することなく、清算の結果を書面により報告することも怠り、さらに、上記過払金を懲戒請求者Eに交付せず、懲戒請求者Eから2018年12月7日を期限として上記過払金の返還を請求されたにもかかわらず返還しなかった。
(3) 被懲戒者の上記(1)アの行為は弁護士職務基本規程第5条及び第6条に、同イの行為は弁護士等の業務広告に関する規定第5条第1項本文及び弁護士職務基本規程第10条等に、同ウの行為は弁護士職務基本規程第11条等に、上記(2)アの行為は弁護士職務基本規程第11条等に、同イの行為は債務整理事件処理の規律を定める規定第3条第1項本文、第17条第2項及び同条第4項、預り金等の取扱いに関する規定第5条並びに弁護士職務基本規程第22条第1項、第36条及び第45条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。
被懲戒者には非弁提携による懲戒処分歴が2回あることなどを考慮して、除名を選択した。
処分が効力を生じた日:2020年3月