懲戒情報|事件放置|2021年1月号(12)

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自由と正義:2021年1月号

弁護士会:長崎県弁護士会

弁護士名:春明航太

登録番号:46409

法律事務所名:春明航太法律事務所

処分の内容:業務停止1

処分の理由の要旨:

(1) 被懲戒者は、201638日、日本司法支援センターの民事法律扶助制度を利用して、懲戒請求者Aから自己破産申立事件を受任したが、その後懲戒請求者Aに連絡せず、懲戒請求者Aから解任されるまで2年以上その申立てを行わなかった。また、被懲戒者は、20186月及び9月頃に裁判所から郵便物が届いた懲戒請求者Aが、被懲戒者に対し、その都度、その旨連絡し、郵便物を被懲戒者の事務所に届けたにもかかわらず、その後懲戒請求者Aと協議をして事件の処理を進める等の対応もしなかった。

(2) 被懲戒者は、201797日に裁判所から破産管財人に選任されたが、管財業務にほとんど着手せず、その主たる換価業務が破産者が所有する借地上の建物の売却であったにもかかわらず、その借地の地代を支払わず、その結果、賃貸人から土地賃貸借契約を解除された。また、被懲戒者は、2018123日に破産管財人を解任された後、新しい破産管財人から連絡を求められたが応答しなかった。

(3) 被懲戒者は、201711月頃から委任を受けた事件について、依頼者や相手方などの受任事件の関係者と適時に連絡できる体制を整えず、また、被懲戒者の受任事件の関係者から多数の苦情を受けた所属弁護士会が、被懲戒者に5回にわたって、直ちに依頼者に対し連絡をし、適切な対応を採るとともに、所属弁護士会に経過ないし結果を文書で報告するよう指導等を行ったにもかかわらず、その報告をしなかった。

(4) 被懲戒者は、懲戒請求者Bから遺産分割調停申立事件を受任したが、懲戒請求者Bに対し、20189月下旬の調停期日後、遅滞なく次回期日の日程やその調停の内容を報告せず、懲戒請求者Bの意向を確認しないまま同年1127日の調停期日に出頭し、同年12月初めに被懲戒者から連絡があって以降、懲戒請求者Bが被懲戒者に連絡をしても、連絡をせず、また、相手方から調停に提出された意見書3通を懲戒請求者Bに交付しなかった。

(5) 被懲戒者は、懲戒請求者C弁護士とともに裁判所から裁判員裁判対象事件の国選弁護人に選任されていたが、20181115日の公判前整理手続期日には出頭したものの、その後、懲戒請求者C弁護士からの連絡がつかない状態になり、公判前の弁護活動を行わず、また、公判期日にも出頭せず、公判での弁護人としての活動を一切行わなかった。

(6) 被懲戒者の上記(1)の行為は弁護士職務基本規程第35条及び第36条に、上記(2)の行為は同規定第35条に、上記(3)の行為は同規定第36条等に、上記(4)の行為は同規定第36条に、上記(5)の行為は同規定第46条に違反し、いずれも弁護士法第56条第1項に定める弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

 

処分が効力を生じた日:2020年9月

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