知的財産管理技能士とは?役に立つのか?資格の全てを解説!

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みなさんこんにちは、弁護士学園です。みなさんは「知的財産管理技能士」という資格をご存知でしょうか?

これは、技術やデザイン、ブランドなどの知的財産を戦略的に管理するための国家資格です。現代のビジネスシーンでは、知的財産の有効活用が企業成功の鍵を握ります。この資格は、研究開発、クリエイティブ産業、経営戦略など、多岐にわたる分野のプロフェッショナルにとって、その専門性と能力を証明する重要なものです。

レベルは1級から3級まであり、各レベルで必要とされる知識や技能は異なります。企業においては、この資格は昇進や評価の基準としても活用されているのです。

本記事では、知的財産管理技能士について、その取得のメリットや、資格を持つことで開けるキャリアの可能性について詳しく解説していきます。知的財産を取り巻く環境は日々進化しており、これからの時代をリードするためにも、この資格の重要性はさらに高まっていくことでしょう。

目次

知的財産管理技能士とは?

改めてになりますが、知的財産管理技能士は、知的財産管理技能検定を受けて得ることのできる国家資格です。

技術をはじめとし、ゲームのソフト・物のデザイン・著名なブランドといった「知的財産」。ライフスタイルが大きく変化しつつある現代社会で、人々の複雑で多様化する潜在的なニーズを掘り起こし、様々な情報やコンテンツ、ユーザー目線でのデザイン、関連する技術などを融合し、共感を呼ぶ新しい価値としてブランディングすることが知財ビジネスの鍵になります。

「知的財産」をどのように扱い、ビジネスをマネジメントし、良い方向へ運んでいくのか。こうしたスキルが知財を扱うビジネスパーソンに必要になってきます。

このような知財マネジメントスキルは、研究開発者・技術者、クリエイター、デザイナー、経営企画、販売営業等のビジネスモデルの創出に係るすべてのビジネスパーソンに重要なスキルとなっています。

知財マネジメントスキルの技能習得レベルにお墨付きを与えるのが、知的財産管理技能検定となるわけです。

等級について

知的財産管理技能士は1級、2級、3級の3段階の等級に分かれています。ではそれぞれの等級について詳しく見ていきましょう。

3級知的財産管理技能士について

3級は、知的財産分野で「初歩的なマネジメント能力」がある者について資格を付与するものです。

「初歩的なマネジメント能力」については、

知的財産管理に関する業務上の課題を発見し、大企業においては知的財産管理の技能及び知識を有する上司の指導の下で、又、中小・ベンチャー企業においては外部専門家等と連携して、その課題を解決することができる技能及びこれに関する初歩的な知識の程度

が基準とされます。

具体的には、「企業・団体(学校・官公庁等)において知的財産分野の特にブランド保護、技術保護、コンテンツ保護、デザイン保護、契約、エンフォースメント(権利行使)に関する初歩的知識を有し、それに関する課題を発見することができ、一定条件下ではその課題の解決」までできる技能がある者で、知的財産の管理業務に従事する者に必要とされるスキルをいいます。

2級知的財産管理技能士について

2級は、知的財産分野全般(特許、商標、著作権等)で「基本的なマネジメント能力」がある者について資格を付与するものです。

「基本的なマネジメント能力」については、

知的財産管理に関する業務上の課題を発見し、大企業においては知的財産管理の技能及び知識を有する上司の指導の下で、又、中小・ベンチャー企業においては外部専門家等と連携して、その課題を解決でき、一部は自律的に解決できる技能及びこれに関する基本的な知識の程度

が基準とされています。

具体的には、「企業・団体等において知的財産に関する戦略、法務、リスクマネジメント、調査、ブランド保護、技術保護、コンテンツ保護、デザイン保護、契約、エンフォースメント(権利行使)に関する幅広い基本的知識を有し、業務上の課題を発見し、一部は自律的に解決」までできる技能がある者で、知的財産の管理業務に従事する者に必要とされるスキルをいいます。

1級知的財産管理技能士について

1級は、知的財産分野で、「特許専門業務」「コンテンツ専門業務」「ブランド業務」の3つの専門業務に分かれます。それぞれの専門業務ごとに試験が分かれています。

これら、それぞれに対し、

知的財産管理に関する業務上の課題の発見と解決を主導することができる技能及びこれに関する専門的な知識の程度

が基準とされています。

特許専門業務

特許専門業務は、具体的には「企業等において、特許に関する戦略、法務、リスクマネジメント、情報・調査、国内権利化、外国権利化、契約、エンフォースメント(権利行使)、価値評価・資金調達に関する深い専門的知識を有し、業務上の課題の発見と解決を主導」することができる技能がある者で、特に特許に関する専門的な能力のある者をいいます。

コンテンツ専門業務

コンテンツ専門業務は、具体的には「ビジネスを行うコンテンツプロデューサーやライツ担当者、契約法務担当者等、事業サイドと契約法務サイドの両方のスキルを持つ『コンテンツビジネス専門人材』として、企業等において、リスクマネジメント、契約、エンフォースメント、資金調達、価値評価、関係法規、コンテンツに関する業務(コンテンツ開発戦略・創造支援・保護・関係法規等)について深い専門的知識を有し、業務上の課題の発見と解決を主導」することができる技能がある者で、特にコンテンツに関する専門的な能力のあるものをいいます。

ブランド業務

ブランド専門業務は、具体的には「企業等におけるブランド・マネージャー、商標・意匠グループ責任者、広報・宣伝部門責任者、マーケティング・マネージャー、経営企画担当者等 『ブランドマネジメント専門人材』として、 国内外におけるブランドに関する権利取得手続や ライセンス・模倣品対策等について深い専門的知識を有し、 業務上の課題の発見と解決を主導」することができる技能がある者で、特にコンテンツに関する専門的な能力のある者をいいます。

知的財産管理技能士の概要

2024年1月時点の知的財産管理技能士数は、以下の通りです。

等級人数
3級86,414人
2級43,928人
1級特許部門1,949人
コンテンツ部門437人
ブランド部門294人
「知的財産管理技能検定」公式サイトより引用

試験の概要

各等級が各々、学科試験と実技試験に分かれて実施されます。

2級及び3級:マークシート方式の学科試験

1級の各専門分野の試験:マークシート方式の学科試験+口頭試問による実技試験

試験は年に3回、3・7・11月に実施されます。

ただし、1級の各専門分野に関しては、学科試験及び実技試験が3回に1回しか実施されませんので、実質年に1回しか受けられないような試験になっています。学科試験、実技試験ともに、前回合格していれば免除を受けられる制度もあるので、上手に利用できるとよいかもしれません。

また、2級・1級には各々受験資格が必要であり、下級試験の合格や数年の実務経験が必要となりますので注意が必要です。

実施概要

3級の受験者数は、3,000人前後で推移しており、合格者数は2,000人前後です。

2級の受験者数は、2,000人前後で推移しており、合格者数は1,000人前後です。

1級特許部門の受験者数は、学科試験が400人前後を推移しており、合格率は年度によってばらつきがありますが、大体10%前後です。また学科試験後の実技試験に進み最終合格するのは数十人となっています。

1級コンテンツ部門・ブランド部門は、学科試験が100人前後を推移しており、合格率は、10%を割っています。また、学科試験後の実技試験に進み最終合格するのは数十人となっています。

活用実態

知的財産技能士検定を推奨している主な企業は、LIXIL・NTTデータ・カゴメ・キューピー・シャープ・日立製作所・KDDI・アサヒグループ食品などです。ほかにも工業系の企業が多く推奨しています。

また、昇格要件・人事考課の要件としている企業も多くあり、昇任のため必要となる場合もあるようです。また、3級に関しては工業系の大学や専門学校の学生も多く受験している試験であり、就職活動における自己アピールのひとつの要素として利用がなされていることもわかります。

まとめ

いかがだったでしょうか?この記事では、「知的財産管理技能士」という国家資格について解説しました。この資格がビジネスの多様なフィールドでどのように役立つか、そしてキャリアアップにどのように貢献するかをご紹介しました。

知的財産は、今日のイノベーションを推進し、企業価値を高める重要な要素です。そのため、知的財産を理解し、効果的に管理する能力は、これからの時代を生き抜くために不可欠なスキルと言えるでしょう。

この資格を通じて、新たなキャリアの可能性を探求し、あなたのビジネスライフをより豊かなものにする第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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