皆さんは、法曹三者のうちどれに興味がありますか?
弁護士なら「リーガルハイ」、検察官なら「HERO」、裁判官は「イチケイのカラス」などなど、どれか1つは見たことがあるのではないでしょうか?
どれもカッコよくて、面白くて、憧れるけど、、、実際にどうやったらなれるのか、詳しく知っていますか?
特に弁護士事務所の就活事情は巷に溢れていますが、任官や任険の情報は仕入れられているでしょうか?
Google先生に聞いてみても、「まずは司法試験に合格し→その後修習を経て→二回試験を突破し→採用されたらなれます!」のような、極めて一般的な話しかしてくれませんよね?
そこで今回は、皆さんが聞きたい本音のところを、直接裁判官(現在判事補)に聞いてみました!!
J(裁判官)になりたい受験生、必見です!!
法律家を目指そうと思ったキッカケ
4法律家を目指そうと思った最初から、J(裁判官)になりたかったんですか?
実際に修習が始まって裁判教官と喋ってみて、「ちょっと面白そうかな?」と思い始めた感じです。
司法試験の順位
ぶっちゃけ司法試験の順位は良かったですか?
自分の中ではすこぶる良かったと思ってます(笑)
冗談ですが(笑)
正直なところ、「あの答案をこんなに評価してもらえてありがたい」と思った感じです。
(※実際の順位は2桁とのことです。めっちゃ良いじゃないか…。でもまだ希望はああります!後述のQを参照してください!!)
修習前アンケートの影響は?
Jへの第一ステップとして、修習前アンケートでの志望度調査があると聞きますが、それってやっぱり影響するんですか?
たしかに、全くJに興味ない人には教官もアプローチしてこないので、Jになりたいなら少しでもアピールしておくのがいいと思います。
たとえば修習の終わりかけ等に「Jなりたいです!」って伝えても、教官サイドで「あれ?!君のこと全然ノーマークだったからちょっと困る…」みたいに言われかねないし、そうなってしまうと悲しいので(苦笑)。
とは言いつつ、自分はアンケートの時点ではJ志望とは言ってなかったです(1パーセントも振り分けなかったです)。
修習が始まって最初の方の講義で、「少しでもJに興味あるなら教えてねー」って教官からクラス全体にアナウンスがあったので、その時に一応手を挙げておきました。
弁護士事務所の内定は持っていた?
弁護士事務所の内定(しかも四大レベル)を持ってないと厳しいって聞くけど、本当ですか?
弁護士事務所の内定は持ってました!
でも、全然四大とかじゃなかったです。いわゆる一般民事系の事務所から内定をいただいていました。
周りのJに聞いても、勿論四大の内定を持ってる人もいましたが、それ以外の事務所の人も結構いるので、その噂は気にしなくていいです。
ただ、何かしらの内定を持っていることは教官の方からしても安心材料ではあると思います(もし「Jは厳しい」となった場合、路頭に迷う修習生が出てきてしまうのは本意でないため)。
収集中に起案ってあるの?
ところで、修習中に起案って何回くらいあるんですか?
研修所主体の起案(即日起案と言います)は、弁護修習を除いた各クールに1回ずつあります。
そのほかに、各クールの指導担当のJやPに見てもらう起案が何個かあります。
起案の評価は影響する?
修習の起案が全部A評価じゃないとダメって本当ですか?
誰の情報ですか(笑)
前提として、即日起案にしか明確な評価はつかないです。
即日起案は、自分の欠点や伸ばすべきところを見つけて成長を促す趣旨なので、即日起案で多少しくじってもその後の修習を通じて挽回ができます。なので、即日起案が全部Aじゃなくても良いです。
もっとも、「こいつセンスないな」と思われるのは怖いから、何の勉強もしないで望むと厳しいかもです(苦笑)
ちなみに即日起案は成績として残るので、いい成績を残すに越したことはないです。その方が教官も推薦しやすいですし。
実際自分は、A以外の評価を取ったことがあります(笑)
他方で、指導担当から出される起案には明確な評価はつきません。指導担当から、有難いコメントをいただいたりします(笑)
指導担当から出された課題の出来が良いに越したことはありませんが、指導担当と課題を通してコミュニケーションをする中で成長していけばいいし、Jになれるか否かは各クールを通じた総合評価で見られるので、出来不出来に一喜一憂する必要はありません。
Jになるには誰の推薦が必要?
Jになるためには、指導担当が推薦してくれるんですか?
いや、違います。あくまで教官です。
ただ、実務修習地の指導担当が、当該修習生のことを1番近くでよく見ているので、人柄や日々の態度などを教官にコメントしたりはできてしまいます。指導担当を通じて教官に情報提供され、教官を通じて採用されるっていう流れになるかと思うので、日頃からあんまりトリッキーなことはしない方がいいかもですね(笑)
任官者のタイプは?
周りの任官者、どんなタイプが多いですか?
色んなタイプがいますよ。
ハキハキしっかり者もいるし、穏やかで一歩引いて状況見れるタイプもいるし、陽気なムードメーカーまで沢山います(笑)
予備合格の必要は?
裁判官はみんな予備合格者って本当ですか?
そんなわけないです(笑)
むしろ、予備合格者じゃない人の方が全体数としては多いと思います(※75期任官者は75人おり、内23人が予備試験合格者)。
裁判官になるために見られている所
裁判官になるにあたって1番見られてることは何ですか?
人柄じゃないですかね?
他人と揉めないような人が好まれると思います。
実務に出れば、紛争を収める立場なので(笑)
本当ですか!?
ぶっちゃけ一番見られてるのは成績なんじゃないですか?
いやいや。確かに、起案の成績が無関係かと言われるとそうではないし、要素の一つではありますが、あくまで一要素です。
もっと言えば、司法試験の成績はJ採用にあたっての評価項目じゃないらしいです。
修習中の頑張りが一番大事ということです。
じゃあ、司法試験の受験回数は見られてますか?
そこに関しては、見られているようです。
個々人の能力を見る上で、年齢や、どこのロースクール出身かという点は見られてる感じがしますね。とは言え、複数回受験生でも任官している人はもちろんいます。
教官個々人の判断の点が大きいかもしれません。
修習地選びの重要性は?
修習地が大事って本当ですか?
うーん・・・
たしかに小規模庁のほうが、一人一人に目をかけられるので有利という話を聞きますが、大規模庁でも沢山採用されているので、一概には言えないかもです。
行きたいところに行けばいいと思います!
修習地の中で、J志望同士の潰しあいがあるって本当ですか?
それも誰情報なんですか?(笑)
もちろんないです!というかそもそも、修習地ごとに枠何人とか決まっているわけではないと思いますよ。
「今期の修習生のうち、何人」みたいな、全国規模での絶対数しか決まっていないと思います。
なので、仲間同士でギスギスしたりせず、仲良く修習生活を送ってください(笑)
2回試験の重要性
2回試験の成績って大事なんですか?
修習のゴールなので大事は大事です。
この時期には、教官との複数回の面談を通じて、ある程度は「任官できそうだな」という感覚になっているはずですが、2回試験の成績が上位3分の1に入ってないとダメという話を聞いたりするので、ここは気が抜けないところです。
とは言え、自分自身2回試験の成績はあんまり良くなかったです(笑)
オール優とかじゃ全然なくて、優が半分あるかな?くらいでした。
任官が現実味を帯びてくる時期は?
だいたいいつごろ、任官が現実味を帯びてくるんですか?
これは正直教官との探り合いです(笑)
教官も、「いけるいける!」とは言えないので、任官の採用電話がくるまではずっと、「このまま行けば大丈夫だと思うよー」みたいなことしか言われませんでした。
終始ドキドキです。最終的に、最高裁から採用の電話が来るまでドキドキします(この電話が来るのは修習終了後)。
修習途中ではふわっとした感触しか伝えられずに、でも、集合修習が始まる前後くらいに任官の募集要項をもらって応募することになるんですが、その段階では弁護士事務所の内定は辞退しないといけないので、この点が任官のハードルを高くしている点かもしれないですね。
裁判官の道に進んだ決め手
最終的に裁判官に決めた理由はなんですか?
裁判官から、「裁判官に向いてると思うよ!」なんて言われたら、トキメキませんか?(笑)
自分はときめいたので、Jになってみようかなと思いました。
あとは、自分自身が正しいと思う判断を、自分の意思に基づいて下せることが素敵だなと思ったので、最終的には裁判官に決めました。
最後に
最後に、受験生に一言お願いします!!
周りの話を聞くと、最初から「裁判官になりたい!!」と思っている人は意外と少ないです。
皆さんの中にも、現時点では裁判官ってそんなに興味ないなぁって思っている人も多いかもしれませんが、実際にJと話して仕事を見てみると、そのイメージは大きく変わると思います!
修習の初めからあまり進路を狭めないで、八方美人でもいいので(笑)とりあえず色んな職業に「興味あります!」と言っておくと、後々本当に興味が出てきたときに助けになると思います。
とにかく、司法試験の成績が1,000番台でもJになった人はいると聞きますので、合格順位にはあまりこだわらず、まずは試験合格を目指して頑張ってください!応援しております!!
まとめ
いかがでしたか?
裁判官になるためには、
- 司法試験の合格
- 修習前アンケートでの志望度表明
- 教官からの推薦
などなど、重要な項目があることが分かりましたね。
また、修習中の起案評価や、修習地選びも裁判官任官への影響を及ぼす可能性があります。最終的には、人柄や日頃の態度が裁判官採用において大きな要素となるようですので、ぜひ参考にしてみてください!