法曹資格取得までの流れ
弁護士・検察官・裁判官になるための法曹資格を取得するには、司法試験をパスする必要があります。また、その司法試験受験のために資格が必要なこともご存じでしょうか。
司法試験受験資格の取得には2つのルートが存在します。法科大学院卒業と司法予備試験をパスする2つのルートです。
法科大学院を卒業する、または、司法予備試験をパスすることでひとまず司法試験を受けることができるようになるわけです。そして、司法試験を合格したのち約1年の司法修習を経ることで、いわゆる法曹三者である、裁判官・検察官・弁護士の職に晴れて就くことができます。
法科大学院ルート
法科大学院は、一般に大学の学部卒業後に進学でき、既習コースは2年間、未修コースは3年間の修業年限を経ることで卒業できます。
これより、法科大学院卒業を経て司法試験受験資格を得るルートでは、大学の学部修業年限4年間と法科大学院の修業年限を合わせて、6〜7年でやっと司法試験を受験することができます。
法曹コース
これでは司法試験受験まで年月がかかりすぎるとされ、新設されたのが法曹コースです。
簡単に言えば、大学を飛び級し法科大学院に入学することで、大学入学から最短5年で司法試験受験資格を得られる制度です。法曹コースは大学の学部を3年間で早期卒業し、法科大学院に入学することができる制度です。
大学により学業成績や外国語の素養の程度など、所定の厳しい要件をクリアしなければなりません。所定の要件をクリアできれば、学部を3年間で早期卒業・飛び級して法科大学院に入学することができます。
この制度によって、大学の学部の3年間、法科大学院既習コースの2年間、計5年で司法試験資格を得ることができます。司法予備試験ルートを使わず、早めに法曹界に入りキャリアを積みたいと考えている方には有用な制度です。
また、修業年限が計5年間であるので、学校の授業料を少なからず浮かせることもできます。
在学中受験
令和5年度から、司法試験の法科大学院在学中受験が可能となりました。
法科大学院の修業年限は既習コース2年、未修コース3年のところ最終修業年次に履修要件を満たしていれば司法試験の受験が可能となりました。
これにより、法科大学院在学中(最終在学年度)に司法試験の受験が可能となり、法曹コースと合わせると最短で計4年で、司法試験を受験できるようになります。そして、法科大学院卒業と同時に司法修習を受けることができ、迅速なキャリアアップが望めるような制度が出来上がっています。
まとめ
司法試験を受けるには法科大学院を卒業するルートと予備試験をパスするルートがあります。
中でも法科大学院を卒業するルートでは、現在、大学入学から最短4年で司法試験を受けることができるような制度があります。予備試験受験と法科大学院進学を併用して、司法試験受験資格を取得する人も多くいらっしゃいます。
これから将来法曹界を目指そうと検討している方は、ぜひ自分のキャリアプランの参考にしてみてください。