【令和5年度司法試験合格者の実体験】部活と司法試験の両立への挑戦

  • URLをコピーしました!

令和5年度司法試験に合格した者の合格体験記です。筆者は部活と司法試験受験の両立をしてきたので、司法試験受験以外にもやることがあり両立をしなければならない人にとっては参考になるかもしれません。

また、そうでない人にとっても何らかの参考になるかもしれないので、是非読んでいただけると幸いです。

目次

勉強の開始

筆者は、もともと法曹になる気など全くありませんでした。大学では法学部に所属していたものの、法学部を選択した理由は「なんとなく法学部がかっこよいから」「受験の配点上、法学部が自分にとって最も合格しやすそうな学部だったから」といったものでした。

そのため、大学1,2年生の頃は部活ばかりで大学の勉強はほとんどやっていませんでした。落単しない程度に最低限の勉強をテスト前にやる、という典型的な「大学生」でした。

しかし、大学2年生の終わりごろに、弁護士を題材にしたドラマを視聴したことをきっかけに法曹界に対する関心が湧き、予備校の説明会に参加する等した結果、司法試験の受験を志すようになりました。

その後、大手予備校に入塾しました。

勉強の経緯

勉強の開始時期が、大学2年生の終わりごろということで、他の人よりも遅い自覚があったので、かなりペースを上げて勉強していかなければならない状況でした。予備校の講義(部活をやっており予備校に通学することはできなかったので、オンラインで受講をしていました)を1日に何コマも受講し、とにかくまずは全科目一通り触れることを意識しました。

朝から大学の図書館に行きパソコンで講義を受けて、大学の講義にも出席し、夕方に部活に行き、部活終了後にもう一度図書館に戻り勉強をする、というような生活を毎日繰り返していました。急いで勉強をした甲斐もあり、大学3年生の1月頃には予備校の講座を全て受け終わり、論文対策を始められるという状況までもっていくことができました。

大学4年生になると、予備試験を受験するということもあり、短答対策と論文対策を並行して進めました。このころからコロナウイルスの流行も始まり、大学の図書館に行くこともはばかられ、自宅に籠って勉強をする日々を送っていました。

部活も活動が停止されていましたが、自主練習には毎日励んでいました。その年の、8月に予備試験の短答式試験があり、無事にそれを突破し、8月末から9月にかけて私立大のロー入試を受験しました(私大ローは無事にすべて合格していました)。そして、10月下旬に予備試験の論文式試験を受験、11月には国立大のロー入試を受験しました。結果としては、国立ローは合格したものの、予備論文は不合格でした。

ロー1年目(既修2年時)

ロースクール入学後、すぐに予備試験の短答式試験があるということで、ローの授業の準備はほどほどにして、短答対策にかなりの時間を割いて勉強をしていました。しかし、その年の短答は不合格。前年に論文で落ちた分、今年は何が何でも最終合格しようと意気込んでいたので相当ショックを受けました。その影響か、その後はあまり勉強に身が入らず、ローの成績もかなり低いものになってしまいました。ロー入学後も部活を続けていましたが、この時は部活の方も不調ですべてがうまくいっていない状況で、非常に苦しかった記憶があります。筆者的には、この時期だけでも良いからもう一度やりなおしたいな、という気持ちがあります。

その後、夏休みを経て、さすがにこのままではマズイと感じ、本気で勉強に取り掛かりました。具体的には、授業の予習復習を抜け目なくしっかりやったり、ローの期末テストはテストの過去問をしっかり解くことが重要だと感じたので過去問対策を行ったり、という感じです。結果として、後期の成績についてはかなり上げることができました。

ロー2年目(既修3年時)

5月に予備試験短答があるということで、4月から短答対策を行いました。ただ、前年とは異なり、ローの授業の予習復習をしっかりやったうえで短答対策をしていたので、短答対策にかける時間は前年と比べてかなり少なかったように思います。今までの勉強の蓄積もあって、短答は無事に突破。7月の論文試験を受験できることになりました。論文の勉強もローの授業の予習復習はしっかりやり、余った時間で論文対策をやるという時間の使い方でした。7月中旬に論文を受験し、その後7月末にローの期末テストを受け、夏休みに入りました。この時期は確かに忙しかったですが、部活の方もかなり充実したトレーニングを積むことができており、非常に濃い期間だったと思います。

その後、10月に論文の合格発表があり、見事合格。すぐに口述対策に取り掛かりました。相変わらず、部活も毎日やっており、口述の1週間後に大きな大会が控えている状況だったので、口述対策と部活をどちらも全力で行っていました。そして、口述を受験し、1週間後に部活の大会に参加。なんと、大会では優勝してしまいました。その勢いで口述も受かっててほしかったのですが、驚いたことに口述は不合格。この時は、ショックよりも驚きの方が大きかったです。たしかに、口述落ちでそれなりに落ち込みはしましたが、「これが司法試験本番でなくてよかった」と前向きに考え、早い段階で立ち直ることができました。

12月末にローの期末試験を受け、3月に卒業をしました。

司法試験受験

3月にローを卒業して以降は、家に籠って一人で勉強をしていました。大学院の部活からは引退しましたが、まだまだ競技を続けたいとの気持ちから自主練習はこの時期も毎日行っていました。ちなみにですが、司法試験前日も中日も自主練習は行いました。

そして、迎えた司法試験本番。筆者は、都内近郊に住んでいましたが、電車が遅延するリスクを考え、司法試験受験期間中は会場近くのホテルに宿泊しました。試験当日は、それほど緊張することもなく、いつも通り、淡々と答案を書くことができたと思います。しかし、問題もところどころ難しく、上手く書けない部分もあったため、手ごたえとしては「受かっている気はするが、もしかしたら落ちているかもしれない」というものでした。  受験で一気に力が抜けてしまったのか、試験翌日は発熱してしまいました。

合格発表

試験後から合格発表までは全く法律の勉強はしませんでした。

発表当日は、午前中に競技の練習をし、午後4時の合格発表を待ちました。結果は、無事に合格。うれしい気持ちはもちろんありましたが、それ以上に安堵感が大きかったです。

すぐに、家族や友人等お世話になった方々に合格報告の連絡をしました。合格の反響はかなり大きく、SNSのいいねがかつてないくらい多くついたことを覚えています。

終わりに~この記事を読んでくださった未来の受験生へ~

司法試験は自分のできる範囲でやるべきことを毎日積み重ねていけば絶対に合格することのできる試験だと思います。

筆者のように、部活もやっていて他の人よりも勉強に割くことのできる時間が少ない人でも、目的をもって勉強していけば他の人に劣らない成果を上げることができると思います。

司法試験の勉強はたしかに大変かもしれませんが、そんな時こそ自分を信じて頑張ってください。陰ながら応援しています!

関連記事

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
弁護士が語る

/のリアル

無料登録して頂いた方に全てをお話ししています

目次