今回は、ALG&Associatesのサマクラについてまとめてみました!!
(ALG&Associatesの弁護士数ランキングは15位)
参加日程、参加条件など
時期
8月中の任意の4日間を選択し、参加。
選考方法
短答式試験の結果などを提出
参加者
各ターム4人ずつ
4人で1タームですが、実際のプログラム参加時には2人1組のペアを作りました。
参加したタームでは、出身ロースクールは異なるものの、全員女性という珍しさでした!
修了生だけでなく、在学中の方もいました!
報酬関連
日当:1万円(後日、指定口座へ振り込み)
宿泊規定:宿泊費なし
交通費規定:全額支給
初日にICカードを支給されました。
明日以降の交通費はこれでまかなってよいとのことでした!
(もちろん、規定経路以外に寄り道する場合には使用不可)
初日のプログラム
始業:10時〜
初日は、事務局の方から注意事項の説明、ICカードの付与、入館証などの貸与を受けたあと、まずは4日間お世話になる各事業部へご挨拶に行きました。
ALGでは、交通事故事業部・医療事件事業部・民事刑事事業部・企業法務事業部の4事業部があり、サマクラ生は4日間で4つすべてを回らせていただきます。なので、各事業部ごとに担当してくださる弁護士に挨拶をしました。
午前の部
交通事故事業部で女性弁護士に師事しました。
この日は、たとえば尋問であったりなど、裁判所に出向くべき事件のない日でした(少し残念)。なので、弁護士の方から、「期日調整など、ものの5分で終わってしまうような裁判所へのお出かけはつまらなかろう」とのことで、電話会議への参加をさせてもらうことになりました。
内容としてはかなり専門的なやりとりをしていたので、なかなかすべてを理解するのは難しかったですが、電話会議システムの実物に触れる機会はなかったので、興味深く参加しました。
お昼休み
担当弁護士がお昼に連れて行ってくれました(サマクラの醍醐味でもあり、大変ありがたかったです)。
修習中の話や、逆に私たちのロースクールでの過ごし方などをざっくばらんにお話させていただき、あっという間に過ぎました。
弁護士に、サマクラ生というある意味怖いもの知らずでなんでも聞ける機会はそうないので、失礼にならない範囲で、気になっていることなどはこの機会に聞くのがベストだと思います。事務所に戻ると、気になる給与の話などはなかなかしづらいので。
午後の部
次は、実際に先生が扱った事件を題材にした、交通事故の案件について、過失割合の検討などをチームメイトと行い、発表するというものでした。いわゆる赤本や判例タイムズなどを用いて、初めての内容に悪戦苦闘しながら、チームメイトとあーでもないこうでもない言いながら、なんとか完成させました。
印象的だったのは、過失割合については、たとえば右折や左折、赤信号か黄色信号かなどで、しっかり算定基準が定まっていたことです。講評では、この過失割合はほぼほぼ、事情によって変動しないということを教われたのが良かったです。
そして月並みですが、交通事故って本当に怖いな。もう車運転しないようにしようかな。などと、若干ブルーな気持ちになり、初日を終えました。
2日目
午前の部
この日は医療事件事業部にお世話になりました。
午前中は、担当弁護士から医療事故とはなんなのか、ALGではどのような体制で事件処理をしているのか。医療事件の今後の展望などを伺いました。
医事法については、ロースクールで履修しており、内容も面白く興味深かったので、実際の弁護士事務所ではどのように事件に向き合っているのかを学べたのは大変勉強になりました。もっとも、見せていただいた種々の事件を見ると、大変行き場のない気持ちを抱えざるを得ないような案件もあり、やはり机上の学修だけでは学べない現場の声の重さ・強さも感じました。
お昼休み
この日も弁護士とお昼をご一緒しました。
先生曰く、ALGは新宿という都心の立地なので、周囲に飲食店も多く、お昼ご飯には事欠かないと言っていました。
午後の部
実際の事件を用いて、医療事件の考え方を学びました。
そもそも、参照する資料にまったくなじみがなく、かつ、専門的な医療用語も多く、ついていくだけでなかなか大変でした。着眼点や、交渉のポイントなど、サマクラに参加しないと聞く機会のない話を沢山聞くことができて、医療事件に一層興味が湧きました。
3日目
午前の部
3日目は民事刑事事業部に参加しました。
午前中は、離婚相談にきた妻側の弁護士として、どういったことをヒアリングすると今後の弁護方針を立てる上で役に立つか?といったことを、まずは自分で事件の資料などを読み解き、ピックアップして、次にその質問を実際に事件を担当している弁護士(相談者妻役の設定)に対して投げかけ、さらなる証拠を引き出していくという、とても実践的な体験をさせていただきました。
まず資料を1から読み解いていくというだけでかなりの時間を採られましたし、質問事項といっても、やはり信頼関係構築が第一なので、なるべく失礼にならず、それでいて芯に触れるような質問を思いつくのはとても難しかったです。
のちの講評でも先生がおっしゃっていたように、依頼者との信頼関係を保ちつつ、依頼者にやってほしいこと(証拠の収集などを含め)はしっかり伝えていけるような、しっかりとした知識・経験・自信に裏付けられた弁護士になるのは、並大抵の努力では厳しいのだなと痛感しました。同時に、相当なやりがいもあるのだなと感じ、弁護士志望は強まりました。
午後の部
この日は強制執行に立ち会えるというレアな経験もさせてもらいました。執行官というと、少し怖い印象がありましたが、実際にはそんなことはなく、穏やかな人でした(笑)。
執行の現場自体は、やはり緊張感が漂っていて、こちらも緊張しました。サマクラに参加していて、このような現場に立ち会うことはレアだと思うので、とても勉強になりました。
4日目
午前の部
最終日は企業法務事業部に参加しました。
まずは、ALG企業法務部ではどのようなことをしているのかといった紹介をしていただき、事業部の中をくわしく見せてもらったりしました。
そして、最後少し時間が余ったのか、なんと司法試験の民法科目の良い筋について、先生の見解を教えてもらう時間がありました!
勉強から目を背けてはいけないので、有難い機会でしたが、内心気分はジェットコースターでした(苦笑)。
午後の部
午後は、建物収去土地明け渡し請求事件について、実際の記録を参照しながら、要件事実に沿ってどのような主張をしていくのかということを、チームメイトとともに考え、発表する機会をいただきました。
なじみのある題材でしたが、実際に膨大な記録を前にすると、いったいどのように書面を作っていったらいいのか?この事実ってどう使うの?認否は?など、てんやわんやの結果となりました。
講評では、記録の見方に始まり、準備書面の書き方など、実践的なことを沢山教わることができました。実務に出てからも生かせる話も多く、実務家になった将来をイメージするのに大変役立ちました。
サマクラを終えての感想
参加する前は、『日本各地に支店がある大きな事務所なので、機械的にスピード感重視!』な事務所なのかな?と緊張していましたが、後述するようにまったくそんなことはなく、とても温かい事務所でした!
また、1つの分野だけでなく、各事業部それぞれの業務を学ばせていただくことができたのがALGのサマクラならではと感じて、とても充実していました。
印象的だったのは、アソシエイト間ではパーテーションなどの区切りもなく、先生方がみんなフランクに議論を交わされていた点です。実際、私たちがサマクラの課題に悩んでいるときも、担当弁護士ではない先生も助け船を出してくれたり、とても暖かい雰囲気でした。
事業部の方もとてもやさしく接してくださり、全体として風通しが良い事務所だと思いました!
「これがあったらもっと良かった!」という点は?
参加した日程のうちで、どんな事件があるのかは時の運だと思うので、なかなか難しとは思いますが、やはり裁判所に行く機会があると、より一層実務のイメージが湧いてモチベーションにつながるかなと思いました。
また、刑事部門を体験するプログラムがあれば、是非参加したいなと思いました。
まとめ
ALGは、国内・バンコク併せて12の事務所を有する大きな事務所ですが、サマクラ生として中に入ってみると、弁護士間での仲の良さや事務所の雰囲気の良さなどを直に感じることができ、良い意味で印象が変わったようですね!!
各事業部を体験させてもらえるのも、限られた期間の中で大変勉強になる貴重な機会になったのではないでしょうか。
皆さんも是非、今後の情報をチェックして、エントリーしてみてください!!