「データで見る子育て事情」で、子どもにかかる教育費についてみました。今回も同じく「平成30年子供の学習費調査」のデータをもとに、学校外活動費の詳細をみていきます。
私立と公立で大差!学校外で学習にかけるお金
「学校外活動費」とは、塾や家庭教師への月謝、参考書などを購入する費用などの「補助学習費」と、スポーツやピアノなどの芸術系の習いごと、絵本や文庫本の図書費、博物館などの入場料などの「その他の学校外活動費」に大別されます。詳細は以下をご確認下さい。
■学年別 「補助学習費」(幼稚園~小学校)
「補助学習費」とは、家庭教師代や塾、通信教育教材や参考書の購入費など、家庭外での学習費を表します。
私立と公立で見ると、大きな開きがあるのが分かります。就学前(3歳~5歳)では、2~3倍の差がありましたが、小学校に入学し更に学年が上がるにつれて、その差は大きくなり、小学校6年生では公立では約13万円、私立は公立の約5倍の約64万円とかなり、開きが出ています。
次に、「その他の学校外活動費」について見てみましょう。
■学年別 「その他の学校外活動費」(幼稚園~小学校)
こちらも私立と公立で差がありますが、その差は先ほどの「補助学習費」程の差はなく、約2倍~2.5倍程度になっています。
■学年別「補助学習費」と「学校外活動費」における「補助学習費」の割合
次に、学習系とそれ以外の支出について比較してみましょう。これを見ると未就学、低学年のうちは、公立も私立も、学習に費やすお金よりも、スポーツや芸術などのそれ以外の体験や習い事に充てる割合の方が大きいのに対し、高学年になるにつれて「補助学習費」の割合が高くなり、私立に関しては小学6年生で年間約64万円全体の74%にまで増大します。
私立小学校に通っているご家庭は、通学に係る金額だけではなく、それ以外でも学習費に対しての出費が多いようです。
また、私立・公立に限らず、上記グラフで少額4年生から「補助学習費」の割合が急増しているのは、中学受験対策は小学校4年生から始まるとよく言われている通りであるとデータからもはっきり分かりました。
やはり兄弟姉妹でお金のかけ方が違う!?
最後に兄弟姉妹についての少々衝撃的なデータもありましたので、ご紹介します。
■兄弟姉妹の数及び調査対象者の出生順位別 学校外活動費
(「兄弟姉妹はいない」=100としたとき)
上記のグラフは、「兄弟姉妹はいない」、つまり一人っ子を100とした時の、調査対象の子どもの出生順位別で「学校外活動費」を比較したものです。
「お兄ちゃんは沢山習い事をしているけど、僕は…」と幼いながら思った方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか…。驚くべきことに、データからもその現状が明らかになっています。
詳細をみていきましょう。
■項目別 兄弟姉妹の数及び調査対象者の出生順位別 学校外活動費
(「兄弟姉妹はいない」=100としたとき)
数値が高い(=一人っ子と差がない、もしくは、一人っ子以上)傾向にあるほど、赤色が濃くなり、反対に数値が低い(=一人っ子と差が開く)につれて青色が濃くなるように表現しています。
これをみると、私立は赤色が多い印象で、第一子であれ第二子であれ、同じようにお金をかけているようです。ただ、「図書費」は差が開いています。これは、上の子の「おさがり」を活用することが出来るからかもしれません。
一方、公立になると、青色が目立ちます。中でも、学習系である「補助学習費」と、習字、そろばん、外国語会話などを含む「教養・その他」で大きく差が出ています。
ただ、スポーツ系は公立でも私立でも、同じようにお金をかけているのが分かります。