選ばれたのは、経済法でした【選択科目の選び方~其の1~】

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君たちはどう選択科目を選ぶか?

突然ですが、これを読んでくださっているそこのあなた、司法試験・予備試験の勉強は順調ですか?

「勉強大好き!」
「四六時中勉強してたい!」
「法律愛してる!」

そんなあなたにはこの記事は必要ないかもしれません。

きっとどんな選択科目でもそつなくこなされることでしょう。

ですが、読者の皆さんの中には、

「主要7科目で手一杯なんや…」
「まだ選択科目は決めてないけど、出来るだけコスパ良いのを選びたい…」
「そもそもどんな科目があるのか知らない」

なんて人もいるのではないでしょうか?

そこで、今回は選択科目の選び方・勉強法・メリットデメリットなどを先輩受験生にインタビューしてきましたので、是非参考にしてみてください!

初回は経済法(ほとんど独占禁止法)をご紹介します!

【今回、取材した人】
都内国立ロースクール中退(予備試験合格のため)、司法試験2桁合格、得意科目は刑事系

経済法ってどんな科目?

私たちは日常生活の中で絶えず経済活動をしています。

お店で物を買う・売るがその典型例ですね。

では、ここでちょっと想像してみてください。あなたがお菓子メーカーの社員だったとして、自社(A社)の新製品を売り出したとします。自信作です。なるべく多くの小売店に陳列してほしいですよね?

ところが、競合他社があなたのお菓子を妬んで、小売店に対して「A社からのお菓子の購入はやめてください!」と通知したとします。これに逆らえない小売店が、A社からお菓子の購入をやめたらどうでしょう?

あなたの会社は、お菓子市場から撤退の危機にさらされてしまうかもしれません。

そんな状態は自由経済社会としてとっても不健全ですよね?

経済法(主として独占禁止法)は、このような事態を防止するために企業が守るべきルールを定め、公正かつ自由な競争を妨げるような行為を規制することを目的としています。

どうして経済法を選んだの?

とにかくコスパ重視でした。主要7科目がままならない状態だったので…(なぜコスパがいいかは後述)。

ですが、ポジティブな理由としては、刑法と似た科目だとオススメされたことも大きかったです。経済法も、刑法と同じく条文の文言を抽出し→定義を書いて→あてはめる、ひたすらその作業なので、刑法が好きな自分には心理的ハードルが低かったです。

試験ではどんな問題が出る?

司法試験では大問2題が出され、主に独禁法から1題、不公正な取引方法という項目から1題がオーソドックスです。

冒頭で述べたように、「ちょっとこれ、経済活動としてどうなの?」と思うような企業の行動が提示されるので、それを抽出して条文にあてはめていきます。

第1問と第2問で答案の流れや書くべきことに大差はないので安心してください。

勉強内容・方法・勉強時間

正直、絶対に暗記しないといけないキーフレーズは、下手をすると10個もないかもしれません。そのため暗記のハードルは滅茶苦茶低いです。コスパがいいです。

何より過去問演習が効果的です。

演習書などは、やるに越したことはないですが、+αの意識でいいと思います。とにかく当てはめで差が出る科目なので、ゴリゴリ過去問を解いて、上手い人の表現や行為の典型例(違法類型)などをストックしておくことが有用だと思います。

経済法の一番の難しさとして、どの条文を選ぶべきか?があるのですが(Aという条文問題なのか、それともBという条文問題なのかを悩むことが稀にある)、過去問演習を通じてよく出る違法類型を覚えておけば、試験会場で悩む時間が減らせます。

上記のように、覚えることが少ないので、主要7科目と比較して勉強時間も短縮できると思います。

その分7科目に充てましょう…!(老婆心)

メリット・デメリット

メリット

やっぱり暗記量の少なさです。これに尽きます。

たとえば、辰巳法律研究所が出している「1冊だけで経済法」に載っている定義を覚えればほぼそれで暗記は完了です!

デメリットと表裏かもしれませんが、受験生が増えてきた分、教材も充実してきています。また、選択仲間が多い(令和5年司法試験での受験予定者数は、労働法(28.79%)に次いで第2位(20.05%))ので、わからないところをネットで調べたり(SNSで回答を募ってみたり)友人などにも気軽に聞けます。

デメリット

近年、そのコスパの良さが知れ渡ってきてしまい、予備受験生などが選択科目としてチョイスしているので、受験生のレベルが上がってきているかもしれません。

また、実際の経済活動、市場メカニズム、どの行為によって、どの企業が、どう影響を受けるのか(淘汰される?むしろ競争が促進される?)がイメージできないと、なかなか充実した当てはめができず、点が伸び悩むかもしれません(ですが、これは勉強しているうちに慣れます)。

労働法などと比べて、実務で発揮する場面が少ないこともマイナス面かもしれないです。

オススメ教材

  • 過去問1冊だけで経済法(辰巳法律研究所)
  • 論点解析経済法(川濱昇ほか編著・商事法務)
  • ケーススタディ経済法(大久保直樹ほか編著・有斐閣)

いかがでしたか?経済法のコスパの良さは興味深いですね…!と

にかく選択科目に時間をかけたくない人や当てはめに自信のある人は、チョイスしてみるのが良いかもしれません。

次回の選択科目紹介は知的財産法!

お楽しみに!

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