選ばれたのは、環境法でした【選択科目の選び方~其の4~】

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君たちは、どう選択科目を選ぶか

と、過去3回にわたって選択科目を紹介してきました。

 今回は、あまり知られていないけど、実は高コスパ!!

そんな科目「環境法」をご紹介します!!

【今回、取材した人】
都内私立ロースクール修了、得意科目は会社法、R5司法試験受験済

環境法ってどんな科目?

その名の通り、地球「環境」に関する法律を学ぶ科目です。

例えば、『土壌の中に大量のヒ素が含まれていた!賠償請求したい!』などが出題されます。

これだけを聞くと、まったく勉強したことがないし、難しそうだと思われるかもしれません。

ですが、実際に環境法プロパーと言われる分野は少ないです(全体の約半分ほど)。プロパー分野は、環境法の基本原則(未然防止や予防など)・規制や合意などの手法を学ぶこと、個別法の沿革や改正史を学ぶことに尽きます。それ以外の半分は、下記でも述べるように民法や行政法の知識や理解で対応できます。

どうして環境法を選んだの?

科目の特徴として、民法や行政法に似たところがあり、環境法の勉強を通して主要科目の勉強にもなるなと感じたからです。また、授業を通じた学習がそのまま試験対策になることも多く、別途の勉強時間を割くことがあまり無い点も決め手の1つでした!!

(※環境法は、ロースクール内だけでなく、他大学相互間でのネットワークが形成されていることも多く、先輩後輩のつながりが強いと聞きます!パイプを作っておくことで、過去問の完全回答を仕入れることができ、勉強効率が大幅UP!!なんて人も!)

司法試験ではどんな問題が出る?

事例が与えられて、「この場合に、不法行為に基づく損害賠償請求ができますか?」とか、「国家賠償請求できますか?」といったような問題から、大気汚染防止法・水質汚濁防止法・廃棄物処理法といった法律の、条文解釈や制度の比較問題が良く出ます!

これだけ聞くと、「上記のような個別法の解釈を初見でやるなんてできないよ…!」と思うかもしれませんが、これらの法律は事前に勉強した上で試験に臨みます。

環境法では、上記のような数個の個別法の解釈問題が出ますが、逆に言えばこれらの個別法からしか出ないので、行政法のように、初見の法律が出てきて、その場で法律の解釈を1からスタートするみたいな感じではありません!

安心してください(笑)

勉強内容・方法・勉強時間

環境法の攻略にあたっては、頻出判例(たとえば「不要物」の解釈についてとか)の暗記も大事ですが、1番時間を割いて勉強したのは、各種手続きの流れや制度趣旨を理解すること、条文操作に慣れること(やってみるとわかりますが、特に廃棄物処理法については条文操作が結構大変です)でした!

 また、問題にもよりますが、当てはめをゴリゴリ頑張る系の問題も出ることがあるので、そういった問題の対策として、過去問を解いて慣れておくことも必要だと思います!

 また、主要な7科目に比べると勉強時間はだいぶ少なくて済みますし、民法・行政法が得意な人なら、より一層のアドバンテージがとれてコスパが良いと思います!

メリット・デメリット

メリット

圧倒的にコスパ・タイパが良い!

やはりその圧倒的なコスパ・タイパに尽きます!

一度手続きの流れや、問われやすい分野について理解してしまえば、あとは過去問対策をゴリゴリやるだけです!

また、上記特徴で述べたように、行政法に似た科目なので、仮に環境法を選択すれば、司法試験初日は「環境法→憲法→行政法」ということになり、オール公法系科目でまとめられるので、頭の切り替えなども楽です!(笑)

また、JELF(日本環境法律家連盟)というサイトでは、過去問答案の配布なども行われているようです!!

デメリット

基本書や勉強仲間を見つけ辛い

基本書や勉強仲間を見つけ辛いという点では、受験者数の少なさはデメリットかもしれません(R5司法試験での受験者数は136人で3.5%)。

ですが、世はまさに環境対策の時代です!

カーボンフリーやカーボンニュートラルといった世界的な問題にも直接関係する出題がなされるため、今後は実務においても注目度の高い法分野となるでしょう。

オススメ教材

  • 過去問
  • 「環境法」(北村喜宣、弘文堂)
  • 「環境法BASIC」(大塚直、有斐閣)

いかがでしたか?

高コスパで事前準備もしやすい環境法は、最近ますます人気が出てきている科目です!選択肢の1つとして是非ぜひ参考にしてみてください!!

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