【激レア!!】口述試験 “不合格者” の再現答案を見てみよう(民事)

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令和4年度の司法試験予備試験で口述試験に不合格となった筆者(私)の経験を紹介します!

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この記事では、私が実際に体験した口述試験の再現答案を赤裸々に公開します!

私の得点は118点で、合格点は119点以上でした。おそらく「刑事も民事もいずれも59点だったのではないか?」と考えています。今回の記事では、答えがたどたどしかった実際の口述試験の様子と、各質問に対する答えを再現しています。この激レアな ”不合格” 体験記を通じて、これから受験される方の口述試験の実際の流れや、対策の参考になれば幸いです。

下記の再現答案ではすらすら答えているように思ってしまうかもしれませんが、実際にはもっとたどたどしい感じで主査の質問に答えています。

目次

再現答案

主査

事案を読み上げます。

XはAとの間で土地についての売買契約を締結し、同日、その土地についての移転登記を行いました。Xは契約締結の際、現地調査は行いませんでした。

その後、Xが現地調査に行くと、Yが土地に建物を建てていたことが判明しました。XはAに事情を聴くと、AはXとの契約締結以前にYと賃貸借契約を締結していたことが判明しました。

また、建物にはY名義の所有権移転登記がされていました。XはYに対して土地を明け渡してほしいと考えています。

ここで、あなたはXから依頼された弁護士Pとします。

あなたはYに対して所有権に基づく建物収去土地明渡請求をしようと考えていますが、そのときYからはどのような抗弁が主張されると考えますか?

えっと・・・。

賃貸借契約に基づく占有権原の抗弁です。

主査

ではその際、X側の再反論としてはいかなるものが考えられますか?

すみません。わかりません。

主査

本件では建物について所有権移転登記がされていますが、この法的な意味は分かりますか?

建物の移転登記があれば土地の所有者に対して対抗できる、という法的な意味があります。

借地借家法にもそのような規定があったと思います。

主査

建物についての所有権移転登記があれば、土地の所有者に対抗できる旨の規定が借地借家法にもある、ということですか?

はい。

主査

では、借地借家法が適用されるための条件は何ですか?

建物所有目的であることが必要であると思います。

主査

そうですね。

では、本件でAY間の賃貸借契約に建物所有目的であったかどうかはわかりますか?

いえ。

本件ではYが建物所有目的かどうかは明らかではないので建物所有目的ではない旨をX側から主張することになると思います。

主査

では事案を進めます。

本件ではYが建物所有目的でAと賃貸借契約を結んでいたことが明らかになったとします。

ところで、本件では、YA間の賃貸借契約ではYが居住目的以外で本件土地を利用しない旨の特約がありましたが、Yが建物を店舗として利用していることが判明しました。

X側の主張として何が考えられますか?

背信性がある旨の主張ですかね・・・

主査

それだけで足りますか?

背信性の評価根拠事実を主張することが必要になります。

主査

背信性のみで請求原因として成り立ちますか?

あ、解除の意思表示が必要になります。(そういうことか・・・)

主査

そうです。

本件の場合だと用法順守義務違反に基づく解除の主張が考えられます。では、Pとしてそのような主張をするとして、その際の訴訟物は?

賃貸借契約の終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権です。

主査

はい、そうです。

では、Pとして用法順守義務違反に基づく解除を主張することを念頭に、目の前にあるパネルに書いてある事実を黙読してください。

読み終わりました。(用法順守義務違反ってあまり勉強したことない、やばいかも・・・)

主査

では、終了原因についての要件事実を述べてください。

(よくわかんないけどパネルの事実を全部拾うしかない…!!)

AとYは本件土地についての賃貸借契約を締結した。
AはYに対して賃貸借契約に基づき本件土地を引き渡した。
AとYは賃貸借契約締結の際、Yが居住目的以外で本件土地を利用しない旨の合意をした。
Yは本件土地上の建物を店舗として利用した。
XはYに対して、店舗利用をやめなければ賃貸借契約を解除する旨を述べた。
Yは店舗として利用することをやめなかった。
XはYに対して本件賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした。

主査

そうです。「店舗利用をやめなければ賃貸借契約を解除する」とのXの主張は法的に何を意味しますか?

催告ですか・・・?

主査

そうです、催告です。

次に弁護士倫理の問題です。次はYの訴訟代理人である弁護士Qの立場に立って考えてください。

YがQに対して「Aに建物利用に関する特約がなかった旨を法廷で証言するように頼んでほしい」旨述べました。

Qはどうすべきですか?

Aにそのように証言させる行為は偽証のそそのかしにあたり、Qとしてはそのような行為をすべきではありません。

したがって、Qとしてはそのようなそそのかしはできない旨をAに述べることになると思います。

主査

その際、Qとしては何に注意する必要がありますか?

YQ間の信頼関係を崩さないよう、Yに対してしっかり説明をすることが求められます。

主査

はい。これで試験終了です。

まとめ

いかがでしたか。

私は、令和4年度予備試験で口述不合格という珍しい経験をしてしまいました。本記事で口述試験の再現答案を紹介することで、これから受験される方々は、本記事を参考にしていただき、1年でも早く合格していただければ幸いです。

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